研究概要 |
まず,コーペティション戦略(競争と協力の戦略)の側面から,ソフトウェアメーカーによる知的財産権の保護のための投資に関して多段階ゲームの理論を応用して分析を行い,得られた結論をもとに政策的なインプリケーションを考察した.その最終的な研究成果は共同論文のかたちで,海外の専門誌にアクセプト・掲載された. 次に,コーペティション戦略(競争と協力の戦略)の側面から,家庭用テレビゲーム機を供給するハードウェアメーカーによるプロモーション活動とそのゲームソフトを供給するソフトウェアメーカーによる広告活動のそれぞれの投資に関して多段階ゲームの理論を応用して分析を行い,得られた結論をもとに当該業界における定型的な事実に対する説明を試みた.この研究成果は,2014年5月にスウェーデン・ウメアにおいて行われる6th Workshop on Coopetition Strategy "Coopetition Strategy and Practice"で,"Direct or Indirect Co-opetition between Affiliated Firms in the Video Game Market"という論題で成果を報告する予定である. 上記の研究の重要性については,家庭用テレビゲーム業界とプラットフォーム戦略について近年内外の関心が高まっており,当該業界におけるプラットフォーム戦略の実態が事例として記述されつつあるものの,それらに関する理論分析がとりわけ十分ではない現状と関係している.なかでも,当該業界の補完製品企業にとって,知的財産権の保護や市場拡大・システム間競争の問題は重要な検討課題となっていることに加え,海外で成果をあげつつあるコーペティション戦略研究とのリンクも試みようとするところに本研究の重要性があると判断される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果の一部がInderscienceの査読付国際雑誌にアクセプト・掲載されるとともに("Coopetition and coordinated investment: protecting Japanese video games’ intellectual property rights," International Journal of Business Environment, Vol.6,No.1, pp.92-105, 2014),他の研究成果の一部が2014年5月にスウェーデン・ウメアで開催されるSixth EIASM Workshop on Coopetition Strategy"Coopetition Strategy and Practice"にアクセプトされているため.
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