• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

製品カテゴリの生成・変化に関する社会的プロセスの分析

研究課題

研究課題/領域番号 23730421
研究機関立命館大学

研究代表者

吉田 満梨  立命館大学, 経営学部, 准教授 (30552278)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード製品市場の生成
研究概要

平成23年度は(a)既存研究の整理を通じた、理論的・方法論的検討と、(b)経験的研究のパイロットスタディの実施と、経験的研究のデータ収集を計画していたが、ほぼ計画通りに研究を進めることができた。(a)の製品カテゴリに関わる研究のレビューについては、これまでの製品市場の動態に関するレビュー研究の成果を、共著で出版した書籍の一章分として発表した(栗木契・水越康介・吉田満梨『マーケティング・リフレーミング』有斐閣 の第4章)。また当初計画していた制度派組織論の議論に加え、消費研究における消費文化理論の知見をレビューした研究が、『流通研究』に掲載された(吉田満梨・水越康介「消費経験論の新展開に向けて」『流通研究』第14巻第1号、17-33頁.)。こうした理論的検討を通じて、製品カテゴリの生成・変化のパターンに影響を与える条件を考察し、事例研究の理論的な手がかりとした。さらに(b)製品カテゴリの生成・変化についての経験的研究に関しても、いくつかの事例研究及び定量研究の準備に着手している。第一は、日本におけるハーブやアロマテラピー関連製品の市場形成プロセスであり、株式会社生活の木の事例研究を実施し、前掲の書籍に掲載した(第7章)。今後、競合企業や消費者の変化も含めた、より広い視点から、新しい市場形成プロセスの分析を継続していく。第二に、文具としての「マスキングテープ」の市場形成プロセス及びメーカーの製品開発プロセスについての事例研究も行なっている。この事例研究については、5月27日に開催される日本商業学会全国研究発表大会にて、学会報告を行う予定であり、今後、論文としてもまとめていく。さらに、テキストマイニングに関しても、つくば国際大学の加藤淳一先生と、ブログ解析の共同研究に着手している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成23年度は(a)既存研究の整理を通じた、理論的・方法論的検討と、(b)経験的研究のパイロットスタディの実施と、経験的研究のデータ収集を計画していたが、いずれもほぼ計画通りに研究を進めることができた。(b)に関しては、パイロットスタディとして当初、2008年以降の食品市場においてしょうがブームをきっかけに形成された「冷え市場」のカテゴリ生成を候補として検討していたが、データの取得状況より、「ハーブ・アロマ市場」と「文具としてのマスキングテープ市場」に対象を変更したが、問題なく調査を進めることができている。

今後の研究の推進方策

平成24年度~26年度の3年間は、 (b) 製品カテゴリの生成・変化についての経験的研究を実施し、それらを基に、製品カテゴリの動態理解のための(c)理論開発を目指す。条件の異なる複数の製品カテゴリの生成・変化の事例を取り上げ、毎年2つ以上の新規事例を対象に、それぞれについてi)定性的な記述とii)テキストマイニングによる言説分析、という2つの方法で分析を実施する。事例を中心に経験的研究を行う上で、特にサンプリングが重要になると考えている。24年度は、パイロットスタディの結果を踏まえ、調査仮説を明確にした上で、引き続き経験的調査を行なって行きたい。

次年度の研究費の使用計画

経験的研究の遂行のために、当事者へのインタビューをはじめとする一次資料の収集、及び、ブログテキストのデータをテキストマイニングによる言説分析のデータソースとしても用いるためのパソコン及びソフトウェアの購入費として、主に研究費を使用する予定である。また最終的には、海外学会での発表を行うことを計画しており、最新の研究動向を把握する目的でも、アメリカマーケティング協会(AMA)のカンファレンスへの出張費の執行を予定している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 消費経験論の新展開に向けて-実践的転回についての考察2012

    • 著者名/発表者名
      吉田満梨・水越康介
    • 雑誌名

      流通研究

      巻: 第14巻第1号 ページ: 17-33

    • 査読あり
  • [学会発表] How the Value in Use is Co-Created in the Dialogical Interaction with Emerging Customers2012

    • 著者名/発表者名
      Mari Yoshida
    • 学会等名
      11th INTERNATIONAL MARKETING TRENDS CONFERENCE
    • 発表場所
      VENICE(ITALY)
    • 年月日
      JANUARY 20, 2012
  • [学会発表] マーケティング研究における実践概念の意義2011

    • 著者名/発表者名
      吉田満梨
    • 学会等名
      日本情報経営学会 第62回全国大会
    • 発表場所
      神戸大学(兵庫県)
    • 年月日
      2011年7月2日
  • [図書] マーケティング・リフレーミング2012

    • 著者名/発表者名
      栗木契・水越康介・吉田満梨
    • 総ページ数
      1-9, 79-93, 147-171, 243-263, 267-270
    • 出版者
      有斐閣

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi