前年度から、SNSにおけるオフラインとオンラインの社会的相互作用の融合化を、社会的資本に関する研究領域から理論的検討を行った。従来の社会資本として、架橋型オンライン社会資本、強連結型オンライン社会資本に加えて、オフラインとオンラインが融合化を示している社会資本として、オフラインの関係維持型オンライン社会資本を構成した。それぞれの社会資本の類型とSNSのプラットフォーム、フェイスブック、ツイッター、そしてラインそれぞれとの関係を仮説化した。それらの仮説をもとにSNS利用者に対してインターネットを用いた質問紙調査を行った。その結果、プラットフォームによって形成する社会資本が相違することが明らかになった。 同時に企業におけるSNSのマーケティング利用に関する実態調査を行った。多くの企業で、SNSの特徴を生かした使い分けが行われていた。ツイッターでは、レスポンスの速さからタイムリーな情報の提供、フェイスブックであれば、動画や画像コンテンツとの親和性が高いことに加えて、実名による連結ゆえに、流通するコンテンツには社会的イメージが重要視されるため、それに適合したブランド訴求型lラインであれば日々の習慣的利用による高い開封率に適合するクーポン型などそれぞれに使い分けがなされていた。 以上の結果からプラットフォームによって形成される社会資本が相違し、そのことがSNSのマーケティング利用に関しても多大な影響をもたらしていることがわかった。
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