研究課題/領域番号 |
23730452
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
西谷 順平 立命館大学, 経営学部, 准教授 (40363717)
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キーワード | 保守主義 / アナリティカル / 分析的会計研究 / 契約理論 / 多期間モデル / アクルーアルの反転 |
研究概要 |
本研究の目的は、保守主義と負債比率や成長機会との関係を、多期間モデルを使った分析的研究によって明らかにすることであった。そして、当初の2年間の研究計画を3年間へ変更できたおかげで、当初の一年目の計画、すなわち研究計画調書の「研究の目的 ②研究期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか」に書かれていた通り、「具体的には二年間の研究期間内において、まずこれまで申請者が培ってきた保守主義を分析するための単期間モデルの知識をベースにして、アクルーアルの反転を会計情報システムに取り込んだ多期間の基本モデルを設計し、単期間モデルとの比較研究を行う」という作業をほぼ達成することができた。この作業は英文フルペーパー"Accrual Reversal Effect and Conservatism"としてすでにまとめられ、2013年度のアメリカ会計学会(AAA)およびカナダ会計研究学会(CAAA)の査読をすでにパスし、発表予定となっている。そこでは、研究計画調書の「研究計画・方法 ①研究計画と工夫(平成23年度)」に書かれていた課題、「多期間モデルに拡張するために、これらの会計情報システムにアクルーアルの反転をいかにして取り込むのかという点に尽きる。他の経済学の多期間モデルとは異なり、モデルの設定そのものを単純に多期間化すれば済むのではなく、会計学の多期間モデルでは簿記の特性を会計情報システムに落とし込むという問題をクリアしなければならない。国際学会でもこれをモデル分析に説得的に行った例はまだ見られていない」が一定、解決された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学内行政役職着任を受けて、当初の2年計画を3年計画に変更できたおかげで、当初の一年目の作業をほぼ予定通りに進めることができた。基金化されて本当に助かった。
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今後の研究の推進方策 |
修正された3年間分の研究計画調書の予定通りに作業が進んでいるので、次年度も当初の調書に書かれていたとおり「平成23 年度に構築した多期間基本モデルに対して、負債比率や成長機会などのパラメーターを様々に組み込んで問題を解いていき、実証仮説の導出までたどりつく」ことを目的として作業を進める予定である。その上で、新規の科研費申請を行い、この研究成果を国際発信していければ幸いである。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初、二年計画での申請を行なっていたが、学内役職着任に伴うエフォートの大幅な割合変更を受けて三年計画へ途中変更申請し受理された。よって、本来であれば、今年度末を以って当研究は終了となり次年度使用額も0円の予定であったが、実際には、24年度に使用する予定であった金額の一部を次年度、25年度使用額として予定している。 25年度は、今年度の研究実績を報告する段階にくるため、国際学会出張費、国内学会出張費および英文校正費に大半が費やされる予定である。その他は、少額の備品や書籍などの購入に充てる予定である。
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