研究課題/領域番号 |
23730461
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研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
菅原 智 広島修道大学, 商学部, 教授 (40331839)
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キーワード | 国際会計教育基準 / 会計教育 / 研究方法論 |
研究概要 |
本研究の目的は、会計教育の国際的調和化の必要性、その実現可能性や影響について、大学の会計教員、企業経理担当者、および職業会計士の見解や態度を調査し、これからのグローバル社会に適合した日本の会計教育制度のあり方を示すことにある。 平成25年度には、オーストラリアとイタリアの会計教員、企業経理担当者および職業会計士を対象に質問票調査を実施し、会計教育の国際的調和に対する被験者の見解を調査することを予定としていた。 オーストラリアにおけるデータ収集は順調に進み、2本の論文が完成した。日本のデータとの比較研究を実施したものとして、一つは質問票調査によって収集した適量的データを用いた研究と、もう一つは、インタビューによって収集した定性的データを用いた研究として編纂し、現在、いずれの論文も海外のジャーナルに投稿をして、出版を待っているところである。この他に、成果論文として海外のジャーナルに出版されたものが4本、国際学会での関連する口頭報告が2回実施できた。 イタリアでのデータ収集は、平成25年11月にパルマ大学に出向き、会計を学ぶ学部生および大学院生を対象としてインタビューを実施した。しかし、英語で回答できる学生がわずかであったため、イタリア語で回答した学生のインタビューデータはイタリア人の研究協力者に翻訳を依頼したが、思ったように協力をしてもらえなかった。また、アンケートも実施して定量的なデータを収集したが、こちらはコーディングの過程において、元データに確認が必要な点が発見されたため、現地でデータ収集を協力してくれた教員に確認をとっている。これらのデータの信頼性を確保し、改めて分析を再開するにはすこし時間がかかるという状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イタリアでのデータ収集は当初の予定からは遅れているが、現在再確認を取っているところであり、その回答が得られれば、すぐにでも分析に着手できる。そうなれば最終年度には4年間の総括としてまとめるための時間が十分あると考えられるからである。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度には、オーストラリアとイタリアの会計教員、企業経理担当者および職業会計士を対象にQDAを実施し、会計教育の国際的調和に対する被験者の見解を調査する。そして最終的な4年間の研究成果の編纂を行う予定となっている。オーストラリアのデータは入手と分析が終わり、論文として完成させるところまできている。イタリアでのデータ収集のピッチを上げて、4年間の総括を迅速に行うことを考えている。
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