機能分化による医療提供体制の構築が目指されているが、山形県内では依然として療養病床数が不足しており、療養病床の整備を求める声も強い。本研究によって、急性期病床では患者のエンパワメントにつながる退院支援が進む一方、療養病床では医学的必要性を理由としない入院が30%以上見られ、退院可能と判断されたが入院を継続している患者の割合が全体の40%強に達していることが明らかになった。医療依存度の高い患者は相対的に低く、一般病床での受け入れが広く見られた。今後、病床機能に応じた患者の移行をスムーズに進めるには、病床の運用実態のみならず、地域ごとの施設及び在宅の状況も織り込んだビジョンの策定が求められる。
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