本研究は、外国人に対する排外性に関して、ナショナリズムその他の政治意識との関連に着目しながら、その規定要因を分析したものである。まず対中国・韓国・南米人への排外性と対アメリカ人に対する排外性の比較分析によって、文化的異質性よりも、歴史的に形成された社会的地位評価が排外性に強い影響を与えることを示した。さらに排外性と政治意識との関連としては、国際比較調査データを用いた分析によって、極右政党が存在しない国では排外主義の強い人は無党派になりやすい一方、極右政党の存在する国ではその傾向が見られなくなり、極右政党が排外主義者の政治的な受け皿になっていることが確認された。
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