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2013 年度 実績報告書

ハウジング社会学の生成と展開に関する方法史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23730476
研究機関東京大学

研究代表者

祐成 保志  東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (50382461)

キーワード社会心理学 / 政治経済学 / エスノグラフィ
研究概要

平成23、24年度は、R. K. マートンらが1940年代後半に実施したハウジング研究の概要を解明することに重点を置いた。彼らの調査の最終報告書『社会生活のパターン:ハウジングの社会学の探究』は公刊されなかったが、コロンビア大学の希少本・原稿ライブラリーで保存・公開されている。2度にわたり同ライブラリーにて関連資料とあわせて閲覧・撮影を行った。主要資料のテキスト化および読解と並行して、公刊文献の検討を進めた。このうち、マートンらが編集した『社会問題雑誌』の特集「ハウジングにおける社会政策と社会調査」(1951年)は、当時の研究状況および政策との関連を知る上できわめて重要な位置づけにあることが分かった。
平成25年度は、上記の作業を続行しつつ、1960年代以降の英国におけるハウジングの社会学の展開に焦点を合わせた。1950年前後の米国におけるハウジング研究では、グループ・ダイナミクスやパーソナル・ネットワークといったテーマに注目が集まったのに対して、英国で提唱された住宅階級論や都市管理者論に特徴的なのは、都市の希少資源をめぐる政治への着目である。こうした諸研究は、ハウジングの比較社会学を構想したJ. ケメニーの『ハウジングと社会理論』(1992年)において体系化される。他方で、R. E. パールの『分業論』(1984年)のように、住宅を獲得・維持するための多様な仕事(work)の実践を観察することで地域の生活構造を捉えようとする著作も現われた。
本研究を通じて、ハウジングの社会学の展開を、社会心理学/政治経済学/エスノグラフィという方法の創出過程として把握することができた。それは、ハウジングが、理論や調査手法の実験場から、固有の意義をもった対象として再定義されてゆく過程でもある。今回得られた枠組みをもとに、戦後日本社会におけるハウジング研究の蓄積を読み直すことが今後の課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 社会調査史の多層性2013

    • 著者名/発表者名
      祐成保志
    • 学会等名
      日本社会学会第86回大会
    • 発表場所
      慶應義塾大学(東京都)
    • 年月日
      20131013-20131013
    • 招待講演
  • [学会発表] 社会学におけるハウジング研究2013

    • 著者名/発表者名
      祐成保志
    • 学会等名
      日本社会学会第86回大会
    • 発表場所
      慶應義塾大学(東京都)
    • 年月日
      20131012-20131012

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公開日: 2015-05-28  

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