本研究は現代の特に観光化や地域活性化の進展する地域社会において特徴的に観察される流動性・移動性の高い社会的集合を事例として取り上げ、この社会的集合を構成する人々の社会的動態、当該集合の社会的機能、地域社会との相互作用の実態について、フィールドワーク法により、その社会的動態と社会意識のあり方、社会的機能、地域社会との社会的相互作用について明らかにすることを目的としている。 今年度は、昨年度に予定していたが、調査対象先の都合により実施できなかった現地調査を中心に実施した。調査地として愛知県・豊根村、長野県での調査を行った。現地調査では、関係諸機関への聞き取り調査・資料調査のほか、一時的定住民、周辺関係者への面接調査を行った。 現地調査・資料調査に加えて、これまでの調査研究データの包括的・総合的な分析と理論的検討に取りかかり、これまでの研究を総合的に整理、分析・考察し、理論的検討を加え、最終的な成果発表に取り掛かった。 また、比較研究のために海外の事例調査を行った。特に日本とのつながりが深く、労働者や移民の移動のあるペルーを事例地として、人々の流動性・移動性について、特に都市-地方間での移動についての資料調査・現地調査を行った。 日本とは異なる近代化、経済発展、政治的文化的背景としての歴史性を持つ当国での事例は日本の事例を相対化するための良い比較事例となった。
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