本研究は現代の観光化や地域活性化の進展する地域社会において特徴的に観察される流動性・移動性の高い社会的集合について、その社会的動態、社会的機能、地域社会との社会的相互作用について明らかにすることを目的とする。この社会的集合の形成要因としては、観光産業の労働力需要が時期により大きく増減する地域特性、家族労働型システムの採用、観光産業の形成過程で流動性・移動性の高い人々を受入れる慣行的な労働システムを構築してきたこと等が挙げられる。当該の社会的集合は地域社会と外部社会とを社会経済文化的に結節する社会的機能を有しており、地域社会とよりも集合成員同士での水平的で親密な関係性が観察された。
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