研究課題/領域番号 |
23730524
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
平野 寛弥 目白大学, 人間学部, 講師 (20438112)
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キーワード | 互酬性 / ボランティア / 時間 |
研究概要 |
当初の研究実施計画では今年度は互酬的関係の形成・維持要因の検討および国際比較を予定していた. 実際には前年度に構築した分析モデルを用いて,互酬的関係の形成・維持要因を分析するための準備を行った.ただし当初予定していた方法(公開データを利用し,互酬的関係の形成・維持に関連すると思われる要因と社会的シティズンシップに見られる権利‐義務関係の形態との関連について計量的方法により検証)に加えて,関係者へのインタビューに基づく事例研究も並行して進めたことにより,研究の進展自体は当初の予定よりも若干遅れることとなった.ただしその分,得られたデータの種類が増えたほか,複数の分析を行えるようになったため,最終的には研究の射程を広げられることになった. 具体的にはオーストラリアを訪問し,当地のボランティア支援団体の関係者にインタビュー調査を行い,ボランティア活動への姿勢やその背景,現在の傾向などについて情報提供を受けた.また将来的な現地での調査への協力依頼も行い,快諾を得ることができた. また一方では,昨年度に行っていた先行研究のレビューとそれに基づく分析モデルの構築についてまとめた論文が査読制の学会誌に掲載され,本研究の妥当性が評価されたともに,得られた知見について広く知ってもらう機会を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に行った先行研究のレビューならびに分析モデルの構築も済み,それをもとに執筆した投稿論文も査読性の学会誌に掲載された.また24年度に行った互酬的関係の形成・維持要因の分析についても順調に進んでいるほか,オーストラリアとイギリスの研究者との交流によりデータや資料の提供も受け,国際比較分析の準備も整いつつある.したがって,当初の予定通り順調に研究は進展している.
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今後の研究の推進方策 |
次年度はさらに互酬的関係の要因分析を進めるべく,ヨーロッパの国々を訪問し,当地の研究者に協力してもらい,データ・資料収集を行いたいと考えている.訪問先はイギリスとベルギー,オランダを予定している. データや資料が集まり次第国際比較分析を行い,国による互酬的関係の違いやその要因について検討する予定である. またそれと並行して,研究が最終年度になることから,これまでの研究で得られた知見をまとめ,複数の査読制学会誌に投稿するほか,関連学会での報告も予定している.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究方針に沿い,海外渡航にかかる旅費(航空券代,鉄道費,宿泊費)および学会・研究会への参加に伴う旅費(交通費,宿泊費)が出費の中心となると思われる.このほか,若干の物品費(図書費,資料購入費など)も必要になる.
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