本研究では、犯罪加害者家族の心理的・社会的状況を理解し、支援の必要性と可能性を検討した。加害者の親と配偶者を中心にインタビューを実施した。加害者本人との続柄の相違による経験の多様性、罪状による家族の経験の相違、地域差、被害者が家族内にいる場合の心理的負担、子の存在等が語られた。加害者家族に対する支援の仕組み作りに向けて、香港の団体への聞き取り調査を行ったが、家族観や犯罪観、制度の相違が家族の経験にもたらす影響が大きく、それらの要因との関連性についてはさらなる考察が必要である。加害者を親にもつ子どもの実態について検討を進めた。告知の方法やタイミングに関するガイドラインの必要性が示唆された。
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