本研究は、日本、アメリカ、スウェーデンにおける公的扶助のケースワーカーの組織環境の分析を通して、その専門性や裁量について考察することを目的としている。 その結果、スウェーデンは専門性も高く、職務の経験知も蓄積される。アメリカでは、専門性は高くないが経験知が蓄積される。日本は、専門性も考慮されず、経験知も蓄積されにくい。 次に、裁量については、日本は制度目的も曖昧で、社会資源も乏しく、専門性のないなか裁量が大きくなりがちである。アメリカとスウェーデンは公的扶助の目的が明白であり、そのための社会資源も整備されてきている。そして、裁量はあっても専門性や経験知に裏打ちされていると考えられる。
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