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2013 年度 実施状況報告書

障害者自立支援制度下における知的障害者のひきこもり状態の実態と支援モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23730540
研究機関聖徳大学

研究代表者

高野 聡子  聖徳大学, 児童学部, 講師 (00455015)

キーワード社会福祉 / 知的障害 / 特別支援 / ひきこもり / 障害者福祉
研究概要

本研究では昨年度後半から学校卒業から社会への接続における課題や問題に注目して研究を進めてきた。とくに昨年度末には、日本における学校卒業後から社会への接続における特徴や課題を明らかにするため、日本との比較資料として他国の障害児教育の現状を視察した。
そこで本年度はスウェーデンにおけるインクルーシブ教育の中でも、視察を行った視覚障害に障害の対象を絞って分析した。視覚障害を分析の対象とした理由は、すでにスウェーデンにおいては1986年に視覚障害児のための学校は廃止されており、通常学級におけるインクルーシブ教育の実践が25年以上続いているだけでなく、インクルーシブ教育を実施した数十年後の実態を明らかにすることができると考えたからである。
そのため本年度は、昨年度末の視察の際に実施した児童生徒、教師、保護者、当時者団体への聞き取り調査を分析するとともに、不足する点については新たにメールを利用して質問し回答を得ることにした。分析の結果から、学齢期の視覚障害児は障害のない子どもや他の障害のある子どもと共に学ぶ機会を得ながら学校生活を送る一方、同年齢や自身より年上の視覚障害児・者との関りを重視していることが明らかになった。したがって、視覚障害児・者がインクルーシブ教育を受けることによって、障害のない子どもとの交流の機会が得られる一方で、同じ障害種の人と接することもニーズとしてあることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度までの研究から、学校卒業後のひきこもり状態にある知的障害者の実態だけでなく、他国との比較を含めた学校卒業後から社会への接続における実態と課題についても分析する必要があることが確認されていた。このことは、初年度の研究計画には無い分析の観点であり、研究の範囲が広がり、当初の計画よりも遅れる結果となった。
だが、本年度は他国との比較を行うための、基礎資料として昨年度末に実施したスウェーデンにおける視覚障害児のインクルーシブ教育の実態に関する聞き取り調査を分析することができた。なお、聞き取り調査の分析に際して不明点や補足が必要な点があったため、聞き取り調査を実施した教師等にメールで新たに質問し回答を得たため、多少時間がかかった。
そのため、当初の研究計画に照らし合わせれば、遅れが生じていることになるが、一方で昨年度に新たな研究観点を得たことを踏まえて、本年度はその新たな研究観点を具体的に分析することができており、知的障害者のひきこもり状態を明らかにするには、新たな知見を得ることができている。

今後の研究の推進方策

ひきこもり状態にある知的障害者の数量を明らかにする。知的障害者のひきこもり状態の中でも、福祉サービスを受けている途中で生じたひきこもり状態を明らかにするため、サービスを提供している小規模作業所や地域活動支援センター等の職員に対して質問紙調査を実施する。質問紙調査では、職員がひきこもり状態をどの程度(数量として)認識しており、何を課題として捉えているのかについて明らかにする。そして、その質問紙調査の結果を分析し、これまでの研究成果とともに、知的障害者のひきこもり状態の実態と、今後どのようなシステムを構築したらよいのかについても言及する。

次年度の研究費の使用計画

他国への視察結果の分析を本年度行ったため、当初計画していた小規模作業所や地域活動支援センターの職員からの聞き取り調査や質問紙調査を実施できなかった。そのため、次年度に繰り越す金額が発生した。
次年度は本年度着手できなかった小規模作業所や地域活動支援センターの職員からの聞き取り調査や質問紙調査と当初から計画していた研究を実施するために使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] スウェーデンにおけるインクルーシブ教育の実態と課題-視覚障害に焦点をあてて-2014

    • 著者名/発表者名
      高野聡子・吉井涼
    • 雑誌名

      児童学研究

      巻: 16 ページ: 75-82

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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