本研究では、「共同決定」において、パターナリズムの弊害を抑えるために、支援者および家族がどのように関わり、そして、どのように関与していくことが適切であるのかについて明らかにすることを目的とした。そこで、文献調査、支援者および家族に対するインタビュー調査、米国におけるヒアリング調査等を実施した。その結果、ストレングス(希望、夢、活用できる資源等)を基盤として支援する、知的障害のある本人が「自己決定できる人である」との認識を持つ、その本人の「したいことを叶える」ことにこだわる等が、適切な支援とされるだけではなく、支援者や家族によるパターナリズムの弊害を抑えるために有効であるとの知見等が得られた。
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