研究課題/領域番号 |
23730563
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
高野 剛 広島国際大学, 医療福祉学部, 講師 (70534395)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 内職 / 家内労働 / 在宅ワーク / 在宅就労 / 在宅就業 / テレワーク / 就労困難 / 就業支援 |
研究概要 |
本研究の目的は、在宅ワークの活用による就職困難者への就労支援の実態と問題点を明らかにするとともに、歴史的な視点から在宅ワークによる就職困難者への就労支援について考察を行うことにある。この研究目的を達成するために、平成23年度から平成24年度に、行政機関や公益法人等へのヒアリング調査や資料収集などを実施する研究計画を策定した。 平成23年度は、障害者の就労支援に在宅ワークを活用している事例について研究した。具体的には、障害者雇用納付金制度の在宅就業障害者支援制度の実態と問題点について明らかにすることに焦点をしぼり、図書や雑誌論文などの既存文献だけでなく、パンフレットやホームページなどの資料収集を実施することから始めた。文献資料の収集と検討の結果、厚生労働省の登録を取得している在宅就業支援団体へヒアリング調査を実施することにした。 厚生労働省の登録を取得している在宅就業支援団体は、2011年4月1日時点で全国に17団体あるが、そのうち調査に承諾していただいた8団体へヒアリング調査を実施した。また、2012年3月1日には、厚生労働省「在宅就業支援制度の周知・啓発事業」による「在宅就業支援団体交流・勉強会」に参加させていただけることとなり、全国の在宅就業支援団体の担当者ならびに、厚生労働省の担当者からも今後の見通しや実態について、意見を聞くことができた。 上記の通り、平成23年度の研究実施状況は、当初の研究実施計画どおり順調に進めており、研究成果は雑誌論文や学会報告等で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災の影響により支給される研究費の確定が遅れたことなどから、ヒアリング調査を平成23年度下半期からスタートすることとなった。また、スケジュール調整や先方の都合等により、17団体の在宅就業支援団体すべてにヒアリング調査をすることはできなかったが、「在宅就業支援団体交流・勉強会」への参加を許可されたことで、ヒアリング調査できなかった団体の担当者や厚生労働省の担当者からも、在宅就業障害者支援制度に対する事情聴取や意見交換をすることができた。研究成果は雑誌論文や学会報告等で発表し、おおむね順調に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
かつて厚生労働省の在宅就業支援団体の登録を取得していたが登録を廃止した団体や、登録の取得を目指しているが取得できていない団体へのヒアリング調査を実施することで、それぞれの団体の独自の取り組みと、在宅就業障害者支援制度の問題点を明らかにすることにしたい。 また、地方自治体が独自の取り組みとして、就職困難者への就労支援として在宅ワークの紹介斡旋事業を実施しているが、これまで実施してきた内職・家内労働の紹介斡旋事業のどこに問題点があり、在宅ワークの紹介斡旋事業へと変化したのかについて明らかにすることにしたい。 平成23年度と平成24年度の研究実施計画によって得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行うことにしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
東日本大震災の影響により支給される研究費の確定が遅れたことなどから、ヒアリング調査を平成23年度下半期からスタートすることとなった。また、スケジュール調整や先方の都合等により、在宅就業支援団体すべてにヒアリング調査をすることができなかったため、次年度使用の研究費が発生することとなった。スケジュール調整等により、訪問できなかった在宅就業支援団体と平成23年度下半期に登録を取得した在宅就業支援団体へのヒアリング調査を、次年度に実施することにしたい。
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