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2011 年度 実施状況報告書

地域資源を活用した発達障害者への連携支援モデル開発-地域比較研究から-

研究課題

研究課題/領域番号 23730569
研究機関国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)

研究代表者

小倉 加恵子  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 発達障害研究室長 (60332780)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード発達障害者支援 / 発達障害者支援センター / 地域比較 / 相談支援 / 障害児・障害者福祉 / 連携支援体制
研究概要

今年度は本研究の一つ目の目的である発達障害者支援センター(以下、支援センターという。)の支援状況に関するデータ収集と統計解析を実施した。支援センターの発達障害者に対する直接支援及び間接支援の支援実績について、支援センターが設置された平成17年から平成22年度までを対象として情報収集を行った。比較検討に用いるため市町村の相談支援実績に関する情報も収集した。市町村データに関しては障害者自立支援法施行後の平成18年から報告はあるものの、障害種別かつ県別データが閲覧可能であるのは平成20年度以降であり、また、平成22年度は東日本大震災の影響により複数の地域で実績報告がなされていなかったことから、平成20年及び21年のデータを今後の解析対象として用いることとした。 平成20年度について都道府県ごとに支援センターと市町村における相談支援実数の人口補正データを算出し、全国都道府県における比較検討を行い、続いて支援センターの相談支援に係る比重を全国比較した。さらに、支援状況への関与因子として世帯構造、世帯類型、可処分所得、生活意識等について相関解析した。支援センターにおける支援実績は全国的に世帯構成及び世帯類型と相関した。この傾向から外れていた地域は中国地方であった。さらなる分析結果からその要因となっているのは鳥取県における支援状況であると考えられた。そこで、鳥取県における発達障害者支援状況に関して、医療・福祉サービス機関を訪問し情報収集を行うとともに、鳥取の障害者割合や入所・通所状況、障害者就労状況や産業別人口割合など背景因子となる情報を収集・分析した。市町村の支援実績と関与因子に関する検討では、統計学的に有意な結果は得られず、地域によるバラツキが大きいことが分かった。また、より詳細な因子分析のために、諸外国の研究報告から発達障害者支援支給又は受給に係る要因を調査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

地域比較解析のために必要な全国の発達障害者支援実績に関する情報収集を行い、データ整理を実施した。また、代表年のデータに関する統計学的分析を行った。諸外国の発達障害者支援支給・受給に係る要因に関して文献調査を実施し、抽出された関与因子候補について政府公開データを元に地域別情報を収集した。発達障害者支援に係る海外の情報に関して有識者との勉強会を開催し情報交換を行い、海外諸国の福祉施策や支援状況に関する情報を得た。次年度の予定であった実地調査について一部先行して実施することで、次年度から本格的に進める実地調査の下準備をすることが出来た。障害者自立支援法等の一部改正により、平成24年4月から相談支援の充実等を図る方針が定められたため、施策内容に関する情報収集を行った。

今後の研究の推進方策

障害者自立支援法等の一部改正により、次年度4月から相談支援の充実等を図る方針が定められた。本研究では相談支援を調査の主対象としているため、関連する情報収集を精力的に行う。また、実地調査においては、新たな支援体制への移行状況や体制作りの地域計画等も新たに調査対象とする。 本年度に情報収集を終えた支援センターの支援状況に関するデータについて、地域比較分析の追加解析及び地域特性の因子分析、経年変化分析を行い、解析結果を整理する。統計解析により地域特性が明らかになった地域を対象として実地調査を行い、支援体制に関する詳細な調査及び地域資源の活用方法、多領域との連携体制等具体的な支援情報の収集・分析・整理を行う。以上をもとに地域性を生かした発達障害者支援体制に関する事例集を作成する。

次年度の研究費の使用計画

地域比較のための統計学的解析に関して、平成23年度執行予定であった統計ソフトの購入を見合わせて所属機関に設置された統計ソフトを用いて統計解析を実施した。機能や公立などを考慮し、未執行予算を用いて最新の統計ソフトを購入し詳細な統計学的分析を進める。 次年度調査の中心は実地調査の予定である。統計学的解析結果をもとに新たに候補となった地域を対象として実地調査を実施する。実地調査において効率よく情報収集及び分析を行うため、データ記録・保存機器及び携帯用電子機器等を購入する。旅費はパック商品を活用する等経費節減に努める。 発達障害者支援情報に関して、国内はもちろん、海外の情報についても精力的に収集を行い国内体制と比較検討を行う。文献等資料費及び現地視察費を予定する。また、得られた研究成果に関して紙面及び口頭で発表し、情報公開に努める予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Small gray matter volume in orbitofrontal cortex in Prader-Willi syndrome: a voxel-based MRI study.2011

    • 著者名/発表者名
      Ogura K, Fujii T, Abe N, Hosokai Y, Shinohara M, Takahashi S, Mori E
    • 雑誌名

      Human Brain Mapping

      巻: 32 ページ: 1059-1066

    • DOI

      10.1002/hbm.21089.

    • 査読あり
  • [学会発表] 発達障害概説およびリハビリテーションが関わりうる課題2011

    • 著者名/発表者名
      小倉加恵子
    • 学会等名
      第48回日本リハビリテーション医学会学術集会(招待講演)
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2011年11月2日
  • [図書] Handbook of Behavior, Food and Nutrition2011

    • 著者名/発表者名
      Ogura K, Fujii T, Mori E
    • 総ページ数
      3
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2013-07-10  

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