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2013 年度 実績報告書

交代勤務に従事する介護労働者の睡眠とストレス

研究課題

研究課題/領域番号 23730570
研究機関独立行政法人労働安全衛生総合研究所

研究代表者

久保 智英  独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 作業条件適応研究グループ, 主任研究員 (80464569)

キーワード介護労働 / ストレス / 疲労 / 睡眠 / 情動認知 / 交代勤務 / 感情労働 / 認知症
研究概要

今後も進む我が国の更なる高齢化を受けて,介護サービス利用への需要は,今以上に高まっていくことが推測される.しかし,そのサービスの担い手である介護労働者の離職は今もって非常に高い状況にある.このことから,彼らが仕事に満足して長く働き続けられるために,労働環境の更なる改善に貢献できるような労働安全衛生研究が強く求められている.
初年度の予備調査の結果から,介護労働者の抱えるストレスに関連した問題としては,同僚との人間関係や,長時間夜勤や仕事量の多さ,利用者などからの暴力やハラスメント,認知症利用者への対応,給与・待遇などがあげられた.
それらの結果を受け,本調査では調査対象者を介護労働による負担が比較的高い認知症専門棟で交代勤務に従事する者とした.そこで,人間関係の悪化あるいは利用者からの暴力やハラスメントの根底にある一因として,他者とのコミュニケーションがかかわっているという仮説を立て,本調査では他者の表情から感情を読みとる力(情動認知)を主要な測定指標とした.現在もデータ解析の途中ではあるが,その結果から,相手が嫌悪を抱いているというようなネガティブ感情の認知は,日勤後に比べて夜勤後では,同じ顔を見ていたとしても,より嫌悪感を抱いていると感じる傾向が示唆された.さらに,その傾向は,自分の働いている棟において,近い将来に死に至ることが予見される利用者への看取り介護がある場合でも高まることも示された.その上,看取りの利用者がいる場合には,勤務後の眠気や疲労度の増大,さらには睡眠の質の低下まで生じる傾向も観察された.以上のことから,夜勤や,看取りなどの負担度の高い職場要因の影響も考慮した勤務のシフト編成あるいは休日の配置は,職員個人のみならず,職場全体のコミュニケーションあるいはケアの質の保全に寄与することが推察された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 働く人々の睡眠と疲労回復 (特集 産業衛生と睡眠)2014

    • 著者名/発表者名
      久保智英
    • 雑誌名

      睡眠医療

      巻: 8(1) ページ: 9-15

  • [学会発表] Facial emotion recognition, neurobehavioral performance, and sleep associated with care at the time of death among shift-working caregivers2014

    • 著者名/発表者名
      Tomohide Kubo, Fumiharu Togo, Kanami Tsuno, Masaya Takahashi, Yukie Yanagiba, Taku Ichimizu, Etsuko Sato, Saori Kikuchi, Takeshi Mitani, Taiki Komatsu
    • 学会等名
      The 22nd Congress of the European Sleep Research Society
    • 発表場所
      Tallinn
    • 年月日
      20140916-20140920
  • [学会発表] 看取り介護と交代勤務シフトが介護労働者の表情認知へ与える影響2014

    • 著者名/発表者名
      久保 智英, 他
    • 学会等名
      日本睡眠学会 第39回定期学術集会
    • 発表場所
      徳島
    • 年月日
      2014-07-04
  • [学会発表] 認知症専門棟で働く介護労働者の交代勤務のシフトと他者の表情から感情を読みとる力2014

    • 著者名/発表者名
      久保 智英, 他
    • 学会等名
      第87回日本産業衛生学会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2014-05-23

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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