向社会性の個人差の多面性を探る進化心理学・行動遺伝学的アプローチ

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23730577
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 社会心理学
• 研究機関: 安田女子大学 (2012-2013); 京都大学 (2011)
• 研究代表者: 平石 界 安田女子大学, その他部局等, 准教授 (50343108)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 向社会性 / 利他性 / 進化 / 遺伝 / 個人差 / 双生児法

研究概要

向社会性の個人差の源泉を進化と遺伝の視点から検討した。双生児を対象とした経済ゲーム実験により、利他性を反映すると考えられる独裁者ゲームにおける提案額と、公平性を加味すると考えられる最後通牒ゲームにおける提案額では卵性によるペア内相関に差が見られず、遺伝の影響は小さいものと考えられた。一方で最後通牒ゲームにおける最低受入金額では遺伝の影響が示唆された。大学生を対象とした最後通牒ゲームおよび独裁者ゲームの結果からは、対人操作傾向（マキャベリ的傾向）などが戦略的な対人行動変化を予測することが示された。また両ゲームで態度を変える者ほど、ゲームの選択が可能である場合、独裁者ゲームを好むことが示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] 進化心理学は「正義の基盤」を語りうるか (2013)
  • 著者名/発表者名: 平石界
  • 雑誌名: 法社会学 巻: 78巻 ページ: 127-143
• [雑誌論文] 進化と発達 (2012)
  • 著者名/発表者名: 平石界
  • 雑誌名: 児童心理学の進歩 巻: 51巻 ページ: 1-24
• [雑誌論文] The Second to Fourth Digit Ratio (2D : 4D) in a Japanese Twin Sample (2012)
  • 著者名/発表者名: Hiraishi, K., Sasaki, S., Shikishima, C., and Ando, J.
  • 雑誌名: Archives of Sexual Behavior 巻: 41 ページ: 711-724
  • 査読あり
• [雑誌論文] マキャベリアニズム尺度日本語版の作成とその信頼性・妥当性の検定 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中村敏健、平石界、小田亮、齋藤慈子、坂口菊恵、五百部裕、清成透子、武田美亜、長谷川壽一
  • 雑誌名: パーソナリティ研究 巻: 20 ページ: 233-235
  • 査読あり
• [学会発表] 行動遺伝学、進化心理学からみた認知の個人差 (2013)
  • 著者名/発表者名: 平石界
  • 学会等名: 日本心理学会第77回大会
  • 発表場所: 札幌学院大学
  • 年月日: 20130000
• [学会発表] 最後通牒か独裁かそれが問題だ (2011)
  • 著者名/発表者名: 瀧本祐太、平石界、小田亮
  • 学会等名: 日本人間行動進化学会第4回大会
  • 発表場所: 北海道大学
  • 年月日: 20110000
• [学会発表] Heritability of Decisions and Outcomes on Public Goods Games (2011)
  • 著者名/発表者名: Hiraishi, K., Shikishima, C., Takahashi, Y., Yamagata, S., Sugimoto, Y., and Ando, J
  • 学会等名: Human Behavior and Evolution Society 23th Annual Conference
  • 発表場所: France, Montpellier
  • 年月日: 20110000
• [学会発表] サイコパシー傾向と利他行動の関係 (2011)
  • 著者名/発表者名: 中村敏健、平石界、齋藤慈子、長谷川寿一
  • 学会等名: 日本社会心理学会第52回大会
  • 発表場所: 名古屋大学
  • 年月日: 20110000
• [図書] 心と行動の進化を探る (2013)
  • 著者名/発表者名: 五百部裕、小田亮、平石界, 他
  • 総ページ数: 69-97
  • 出版者: 朝倉書店
• [図書] パーソナリティ心理学ハンドブック (2013)
  • 著者名/発表者名: 日本パーソナリティ心理学会(編)
  • 総ページ数: 29-35
  • 出版者: 福村出版
• [図書] 発達科学ハンドブック第2巻、研究法と尺度 (2011)
  • 著者名/発表者名: 発達心理学会(編)
  • 総ページ数: 186-196
  • 出版者: 新曜社