大人の甘えは、単なる未熟さや依存とは異なり、相手の立場や関係の親しさなどを考慮に入れながら、対人関係を促進するためのツールとして戦略的に用いられていることを明らかにした。人は、甘える人には「やろうと思えば自分でできる」というコントロール感があるとみなし、相手との親しさやその時の感情をもとに、その甘えを受け入れるかどうかを決定していた。甘える人は、受け手の状況を手掛かりにしながら甘えの受容を推測していた。さらに、甘える人ほど社会的スキルが高く、新しい環境により早く適応できることから、大人の甘えは対人関係を構築するための機能があり、戦略的に用いられていると言える。
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