本研究では、行政との協働における受益性の構造を明らかにすることと、協働の進展プロセスを実証し、測定できるチェックリストを開発することを目的として、1つの質的調査と4つの量的調査が実施された。その結果、協働による受益性は、「社会利益」と「自分利益」に分類され、自分利益の中には、「同質他者拡張」「情報・知識獲得」「趣味・安心」の側面があることが明らかとなった。また、協働の各段階を測定するチェックリスト9項目が作成され、おおむね妥当性が検証された。回顧法による検討の結果、協働の進展に関する相互作用は、「相互未知」から「相互支援」および「相互未知」から「相互自立」に変化する過程が実証された。
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