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2012 年度 実施状況報告書

繁忙感が組織のリスク要因に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 23730599
研究機関公益財団法人労働科学研究所

研究代表者

余村 朋樹  公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (80390772)

キーワード繁忙感 / 忙しさ / リスク / エラー / 安全 / 産業組織
研究概要

本研究は,産業組織において,(1)繁忙感はどのようなリスク要因を発生させる,もしくは高めるのか,(2)それらはどのような構造であるか,(3)適切な,もしくは許容される繁忙感のレベルが規定可能か,可能ならばどの程度であるかを検討し,さらに,これまでの研究と合わせ,(4)繁忙感に影響を与える要因から繁忙感が影響を与える要因までの一連のメカニズムをモデル化することを目的としている。
上記(1)繁忙感によって発生もしくは高められるリスク要因の探索のために,実際の産業組織において(ア)面接調査,(イ)事例調査,(ウ)安全活動の阻害要因調査を行うこととしており,平成23年度は(ア)と(ウ)を行った。続いて平成24年度は(イ)を中心に行い,(ア)(ウ)も実施した。
まず,(イ)事例調査では,繁忙感が災害やトラブルにどのように影響しているかを検討するため,ヒアリング調査を行った。調査した事例では,予定と異なった状況での確認や再打ち合わせの省略や,合理化などが見受けられた。
さらに,平成23年度に続き,(ア)の面接調査では幾つかの産業組織を対象に実施し,平成23年度の分とともにデータの整理を行った。また,(ウ)の安全活動阻害要因調査についても平成23年度に続き,産業組織の安全性向上活動にオブザーバーとして参加し,繁忙感が安全活動に取り組む際の阻害要因となっていないか検討した。その結果,活動を担当する者の繁忙感が高いと,活動をこなすことが優先されてしまい,個別の検討や判断が回避され,活動が形式的になるといった例などが見いだされた。
その他,機会が得られたため,繁忙感と要因に関する質問紙調査も実施し,データ数の拡充を図った。
これらの研究は,繁忙感の実証的なモデル化の策定につながるとともに,産業組織における事故・トラブルの防止や,安全活動の実効性を高めるための提言に寄与するものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度は繁忙感によって高められるリスク要因の探索のために,平成23年度に行うことが出来なかった(イ)事例調査の実施を中心に,(ア)面接調査の整理・分析,(ウ)安全活動の阻害要因調査の整理・分析を計画していた。
(イ)の事例調査は実施出来たが,協力を得た上で適切な事例を選定出来るまでに時間を要したこともあり,整理・分析はまだ十分には進んでいない。また,(ア)(ウ)についても,平成23年度調査の続きや,追加調査を実施したことと,収集したものが全て質的データであることから,整理が遅れている。

今後の研究の推進方策

平成23年度,24年度に続き,(ア)面接調査の整理・分析,(イ)事例調査の整理・分析,(ウ)安全活動の阻害要因調査の整理・分析を行う。また,(イ)については,内容の補強のために,これまでのトラブル事例の検討を追加することも考えている。
さらに,繁忙感が影響を与えるリスク要因モデルの策定と,それに基づく質問紙調査の実施を企図している。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は,必要に応じて事例調査の補充,面接調査の実施,そして質問紙調査の実施,データ解析を予定している。
そのため,調査・打ち合わせ・報告のための交通費(記録補助員分を含む),データ入力費,分析用機器・ソフトウェア,資料の購入を計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 組織における繁忙感の要因とコントロール2012

    • 著者名/発表者名
      余村朋樹,彦野賢
    • 雑誌名

      ナースマネージャー

      巻: 14 ページ: 35-39

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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