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2011 年度 実施状況報告書

組織間安全文化評価ツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23730600
研究機関(財)労働科学研究所

研究代表者

奥村 隆志  (財)労働科学研究所, 研究部, 研究員 (20373201)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード産業・組織 / 安全文化 / 組織間
研究概要

本研究では、従来、申請者らが開発してきたSCATの評価内容や評価構造等を基に、1)組織間の相互評価によってグループ企業の安全文化を評価する質問票(組織間関係の安全文化評価ツール)を開発することを目的としている。平成23年度は1)申請者らが開発しているSCAT(10分野36項目)を実施し、それに加え、自由記述欄を設け、グループ企業の安全文化を醸成するために必要と考えられる組織間の関連性についての内容を幅広く収集、2)組織間関連性要因の網羅性検討および試作版の作成することであった。1)の質問紙調査は実施時期が予定よりも遅れたが、本調査を実施し、自由記述欄の質的データを現安全文化評価の内容毎に分類し、いずれにも当てはまらない内容については新たに要因名を設けた。新たな要因名の1つの例としては、「緊急時における対応」である。東日本大震災において、原子力発電所の緊急時の対応が話題になったことも影響しているが、緊急時の対応について発注組織、受注組織、協力組織が果たす役割等の記述が目立った。さらに、組織間関連要因データの拡充を図るべく、予定にはなかったが、質問紙調査の対象組織に発注組織、受注組織、協力組織別々に面接調査を実施した。各要因を抽出するだけであれば、自由記述欄のデータでも十分ではあるが、直接、多くの関係者と議論することで、2)要因の網羅性を確認することができることから、調査を追加実施した。なお、各組織の面接調査では、管理者、現場責任者、作業者の3層に別れて実施し、調査対象者に発言によるプレッシャーを少しでも軽減して貰えるよう、心がけた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成23年度の計画では、1.SCAT実施および組織間関連性要因の収集と、2.組織間関連性要因の網羅性検討および試作版の作成の2つのテーマを実施する予定であった。いずれも組織間関連性の要因を抽出することが目的であったが、1の質問紙調査の実施が東日本大震災の影響により、実施自体が半期以上ずれ込む形となった。さらに、質問紙調査に留まらず、組織間関連要因のデータの拡充をすべく、複数の事業所において発注組織、受注組織、協力組織それぞれに面接調査を実施した。質問紙調査実施の遅れと予定以外の面接調査の実施により、試作版の作成まで至らなかった。

今後の研究の推進方策

まずは平成23年度に予定して実施できなかった試作版を作成する。その際、対象グループ企業の安全担当部署の関係者を対象に面接調査を実施し、網羅性確認と質問内容が適用か否か等を聴取し、試作版に反映させる。その後、試作版を再度対象グループ企業に実施することでデータを収集し、SCATの要因群および平成23年度に追加された要因群を含めて構成的妥当性を検証する。

次年度の研究費の使用計画

旅費および人件費・謝金が多くを占める。旅費の用途は面接調査実施のため、現地までの移動費に充てる。人件費・謝金は試作版調査実施後のデータ処理に充てる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 安全文化向上プログラムの開発と実践-PDCAサイクルプログラム-2011

    • 著者名/発表者名
      奥村隆志
    • 学会等名
      日本応用心理学会
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2011年9月10日
  • [学会発表] 重層的産業組織における安全文化上の問題点の検討2011

    • 著者名/発表者名
      余村朋樹
    • 学会等名
      日本応用心理学会
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2011年9月10日
  • [学会発表] Development of a safety culure assessment tool of a Japanese company2011

    • 著者名/発表者名
      奥村隆志
    • 学会等名
      第一回日中現代安全技術管理研究会
    • 発表場所
      上海海事大学
    • 年月日
      2011年12月16日

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公開日: 2013-07-10  

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