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2013 年度 実績報告書

思春期の学校メンタルヘルスに及ぼす自尊感情とその安定性,随伴性自己価値の作用

研究課題

研究課題/領域番号 23730607
研究機関富山大学

研究代表者

石津 憲一郎  富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (40530142)

キーワード自己価値の随伴性 / 中学生 / 自尊感情の安定性 / 自尊感情 / 怒り
研究概要

最終年度の研究の目的は,思春期の子どもを対象に,自尊感情や随伴性自己価値が高い者と低いの者の怒り処理のプロセスについて検討することであった。
随伴性自己価値と自尊感情得点には相関は見られなかった。随伴性自己価値が高い者は,怒り体験そのものも高いことが占めされた。また,随伴性自己価値は怒り体験や怒りの破壊的対処と非常に弱い関連が示される一方で,怒りの内向性や外向性,および怒りをコントロールしようとする傾向とも関連が示された。
続いて,自尊感情と随伴性自己価値の高低の組み合わせと,怒りの処理にはどのような関係があるのかを検討するために,それらの変数の交互作用項を含めた階層的重回帰分析を行った。自尊感情が高い者は皮肉的態度や破壊的表出といった態度は取りにくいことが示された。また,随伴性自己価値が高い者は,様々な怒りのコントロールを用いようとすることも示された。一方,怒りのコントロールにおいて,自尊感情と随伴性自己価値の交互作用が有意であり,自尊感情が高い者で随伴性自己価値も高い者は自己内省や気持ちの切り替えを,自尊感情が高く随伴性自己価値が低い者よりも行いやすいことが示された。
調査で得られたコントロールに関する得点が実際の攻撃の出現を抑制するか否かを含めた検討がさらに必要であると思われる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 共感性が向社会的行動に及ぼす影響 -社会的望ましさ尺度を用いて―2014

    • 著者名/発表者名
      畠中あゆみ・石津憲一郎
    • 雑誌名

      富山大学人間発達科学研究実践総合センター紀要

      巻: 8 ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 個人的要因と環境的要因がレジリエンスに与える影響2014

    • 著者名/発表者名
      羽賀祥太・石津憲一郎
    • 雑誌名

      富山大学人間発達科学研究実践総合センター紀要

      巻: 8 ページ: 7-12

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 通信制高校の教育相談における外部機関との連携の在り方についての検討(1)―通信制高校生はどのような援助ニーズをもっているのか―2014

    • 著者名/発表者名
      小川徳重・石津憲一郎・下田芳幸
    • 雑誌名

      富山大学人間発達科学研究実践総合センター紀要

      巻: 8 ページ: 13-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中学生における感情への評価と学校適応感の関連性についての検討2014

    • 著者名/発表者名
      下田芳幸・石津憲一郎・樫村正美
    • 雑誌名

      心理学研究

      巻: 84 ページ: 576-584

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中学生の学校ストレスへの脆弱性 -過剰適応と感情への評価の視点から―2013

    • 著者名/発表者名
      石津憲一郎・安保英勇
    • 雑誌名

      心理学研究

      巻: 84 ページ: 130-137

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中学生用情動知覚尺度(EAQ)日本語版の作成2013

    • 著者名/発表者名
      石津憲一郎・下田芳幸
    • 雑誌名

      心理学研究

      巻: 84 ページ: 229-237

  • [学会発表] 思春期における自尊感情の変動性(1)

    • 著者名/発表者名
      石津憲一郎
    • 学会等名
      日本心理臨床学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜

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公開日: 2015-05-28  

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