自己愛的な青年は社会的な不適応に陥りやすいことが指摘されてきた。本研究では、「自己愛的な青年は、協同作業に対して好ましい認識を持たないために他者との協調が保たれにくくい」という不適応発生の原因に着目し、要因間の関係と、介入的な取り組みの影響を検討した。 個人的達成よる自分らしさの確立を目指す誇大な自己愛的青年と異なり、そういった志向性をもたないにも関わらず、協同に価値を置かない過敏な自己愛的青年は、不安等の否定的感情によって、協同を避けているものと考えられた。 スキル訓練を行ったり、グループを評価する観点に工夫を加えたりすることで、過敏な自己愛的青年の不適応的な傾向が改善することが示唆された。
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