研究概要 |
まず、教師の学級課題への原因帰属について検討するため、成績不振、暴力行為、不登校に対する原因帰属スタイルを分類するためにクラスター分析を行った。その結果、成績不振では、帰属スタイルは子どもへの帰属、教師への帰属、非帰属、家庭への帰属、全体への帰属の5つに分類された。暴力行為では、帰属スタイルは非帰属、家庭への帰属、子どもや家庭への帰属、教師への帰属の4つに分類された。不登校では、帰属スタイルは非帰属、家庭への帰属、子どもへの帰属全体への帰属の4つに分類された。 次に、教師の学級課題への原因帰属と学級経営のスタイルとの関連を検討するため、成績不振、暴力行為、不登校に対する原因帰属スタイルを独立変数、学級経営スタイルを従属変数とした分散分析を行った。その結果、成績不振では、子どもの特性を重視した学級経営得点(F(4, 279)=2.715, p<.05)において、5群間に有意差が認められたので、Tukey法による多重比較を行ったところ、「全体への帰属」が「家庭への帰属」よりも有意に得点が高かった。暴力行為では、有意差が認められなかった。不登校では、子どもの特性を重視した学級経営得点(F(4, 279)=3.018, p<.05)において、5群間に有意差が認められたので、Tukey法による多重比較を行ったところ、「全体への帰属」が「子どもへの帰属」よりも有意に得点が高かった。以上の結果から、家庭や子どもなどに原因を帰属するよりも、自身も含めた問題として帰属している教師のほうが、子どもの視点に立った学級経営を行っていることが示唆された。 そして、教師の学級経営のあり方を見直すために、教師用RCRTを実施し、子どもを見る視点について振り返ってもらった。
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