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2011 年度 実施状況報告書

教師の成長を促す教育研修教材「教育相談クロスロード」の開発とその有用性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23730618
研究機関佐賀大学

研究代表者

網谷 綾香  佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (90404110)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード教育相談 / 教師 / クロスロード / 教員研修
研究概要

教育相談において,教師は児童生徒への指導・援助に困難を感じ葛藤状況に陥ることが多い。本研究ではその葛藤状況を"教師の成長を促すポジティブな岐路"として位置づけ,葛藤を活用した教師対象の教育研修用教材,「教育相談クロスロード」の開発とその効果の検証を行うことを目的としている。 平成23年度は,シュミレーションゲームである「クロスロード」の試行版作成に向けての基礎となるデータを収集することができた。まず、防災教育用教材「クロスロード」の著作権者と覚書を交わした上で,教師を対象とした質問紙調査を実施した。小・中・高・特別支援学校の教師に自由記述式の質問紙調査を配布し,80名から回答を得た。教育相談上陥りやすい教師の葛藤状況のエピソードと,その葛藤状況に対し教師がどのような対応を行ったのかについて分析を行った結果,不登校,非行,いじめ,発達障害,子どもとの関係作り,進路問題,同僚との関係など,各領域での様々な具体的な葛藤状況や悩みが抽出された。特に,不登校に関するエピソードが数多く収集され,現代の教育相談領域において教師が葛藤に陥りやすい重要なテーマであることが明らかとなった。調査と並行して、これまでの教師ストレス研究や教師バーンアウト研究ですでに明らかにされている教師の悩みや葛藤について、文献や実施済の調査からのデータ収集、知見の整理を行った。また、教師の成長という観点から教師メンタルヘルスについて再考し、書籍に著すことができた。これらの質問紙調査の結果や文献からの知見をふまえ、「教育相談クロスロード」のテーマとして適切と考えられる葛藤状況、すなわち「どのような教師でも陥りやすいリアリティのある典型的な葛藤状況」であり,かつ,「一律の最適解ではなく多様な判断・多様な解が想定できる状況」を領域ごとに整理し、抽出している段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度は,教師を対象とした質問紙調査等を実施した。また、先行研究からのデータ収集、知見の整理も行うことができた。葛藤状況の精査や確認のための調査については、次年度に持ち越された(研究中断による)ものの、「クロスロード」の試行版作成に向けての基礎的なデータを収集することができたため、おおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

今後も研究計画通りに進めていく予定である。ただし、研究期間については研究中断の期間をはさむため延長を予定している。次年度は、今年度の成果をふまえ、クロスロード教材の試行版を作成し、申請者もしくは研究協力者がファシリテーターとなって教師および教員志望の学生を対象に試行、効果を検証する。試行版作成にあたっては、準備段階で、抽出したエピソードが適切な葛藤状況となっているかを確認するために、教員およびスクールカウンセラー等に調査を実施する。

次年度の研究費の使用計画

試行版を作成するための印刷費、研究打ち合わせや成果発表のための学会参加・旅費等に使用する予定である。なお、当初計画では、成果を発表し、作成した教材をより洗練させるために、ホームページ制作を予定していたが、「クロスロード」の著作権の関係上、別の形での公表を検討中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 心理学研究の新世紀4 臨床心理学  (第1部 第2章 第4節 学校臨床と心理臨床「児童生徒との関わりからみた教師のメンタルヘルス」)2012

    • 著者名/発表者名
      深田博己(監修)   岡本祐子/児玉憲一(編著)
    • 総ページ数
      p.193~207
    • 出版者
      ミネルヴァ書房

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公開日: 2013-07-10  

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