幼児期における2種類の身振り変化(BPO表現からパントマイムへ、主観的身振りから客観的身振りへ)について、その変化の様相と関連要因について、幼児を対象とした個別面接実験によって検討した。その結果、BPO表現の変化は言語発達を指標とした全般的な認知発達や形態把握に関わる空間構成能力の発達とほぼ連動して生じるのに対し、主観的身振りからの変化はそれよりもやや遅れ、他者視点取得などの社会的要因が関与していることが示唆された。ただし、これらの変化は一様ではなく、課題や手続きによっても各要因の影響の程度が異なることが示された。
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