研究課題/領域番号 |
23730627
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
香川 秀太 大正大学, 人間学部, 講師 (90550567)
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キーワード | 国際情報交換(アメリカ) |
研究概要 |
本研究は,「学校インターンシップ」で生じる4つの問題,「学生(異学年)間の不十分な技術継承」,「省察のない学生の体験」,「現場側と大学側との間の境界」,「学術知と実践知の不結合」に着目し,①これを改善し,かつ社会人基礎力をより効果的に育成する,教育実践とツールを開発するものである。具体的には,「学生参加型のテキスト創りと徒弟制的システムの開発」,「省察を促す共同学習とWEBシステムの構築」,「学生チーム運営の模擬授業研究会と受け入れ校との組織間交流」,「学術知と実践知との相互作用の活性化」を行うことを目指す。そして,②各実践の中での学生の学習過程の調査,③実践とツールの改良という,実践研究を試み,教員養成やキャリア教育に提言を行うことを目指す。 今年度は,学生主体で作成していくテキストをさらにバージョンアップさせ,一般にも配布可能な冊子として印刷した。このテキストは,近日中に,ネット上で公開し無料DLできるようにする予定である。また,現場側と大学側の境界を埋めるべく,学校と共同で大学生主体の料理教室の企画,実施や,大学生が学校に出張してラウンドテーブルを行った。また,学校インターンシップ用に開発した社会人基礎力を図る質問紙のデータも昨年度に続き収集した。さらに,実習教育で先端を走る看護領域の研究者や企業家,経営学者らと連携し,現場の学習について議論を深めた。その際,現場の学習理論である,状況論やその中の越境的学習論についても他領域と意見交換をして議論を深めた。また,収集したデータの分析も進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の研究実績の概要の通り,データ収集及び分析はおおむね予定通り進んでおり,アウトプットも積極的に進めてきた。しかし,学校インターンシップのWEBシステムの開発は,案はできたものの,予算不足から実施が困難となっている。予算を下げる形で,複数の業者とも交渉を重ねてきたが,既存のシステムとの十分な差異化やアドバンスが図れないため,WEBシステムに頼らない別の形での方策を考案した。結果的に,この方策は,低予算で,WEBシステムにかかる経費も不要なため,かえって他大学でも援用しやすさのある方法になったと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究内容は,すでに幾つかの論文や原稿,および学会発表でアウトプットをしてきたが,本年度はそれを総括したい。具体的には,例えば,依頼を受けた,学校インターンシップ関連の本に原稿を掲載する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は,収集したデータの分析を進め,まとめる予定である。そのための分析ツールの費用や文字化等の分析にかかる人件費,その他諸機器,消耗品にかかる経費を予定している。 また,研究成果を学会の口頭発表等で積極的に発表していく予定である。また,海外の研究者とも交流を行っているが,直接研究所を訪問する予定でもある。
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