本研究は,「学校インターンシップ」で生じる4つの問題,「学生(異学年)間の不十分な技術継承」,「省察のない学生の体験」,「現場側と大学側との間の境界」,「学術知と実践知の不結合」に着目し,①これを改善し,かつ社会人基礎力をより効果的に育成する,教育実践とツールを開発する。具体的には,「学生参加型のテキスト創りと徒弟制的システムの開発」,「省察を促す共同学習とWEBシステムの構築」,「学生チーム運営の模擬授業研究会と受け入れ校との組織間交流」,「学術知と実践知との相互作用の活性化」を試みる。そして,②各実践の中での学生の学習過程の調査,③実践とツールの改良を試み,教員養成やキャリア教育への提言を行う。 今年度は,学生主体で作成したテキストを実際に学生に配布し活用し,ネット上でも公開した。また,台湾のフィールド研究者や社会活動家と交流し,子どもの学習支援コミュニティ等の観察やインタビューを行った。さらに,これまでの研究成果をまとめつつ,本研究の理論基盤である,複数のコミュニティ・文脈を横断する学習論に関する学会発表や研究会の開催,著作の執筆を行った。
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