本研究では,人間の様々な特性に関する理解が,幼児期から児童期にかけてどのように発達的に変換するのかについて検討することを目的とした。身体的特性,心理的特性,社会的特性を取り上げ,これらの特性の変化可能性(現在のネガティブな特性を変えたいと思っている子どもが,大きくなったときに変えることができるか)を推論させる課題を用いて検討した。幼児,児童,大学生を対象に実験,調査を行った結果,幼児は現在の特性を重視するが,児童期半ばになると「意志・努力」を重視するようになり,さらに多様な要因を考慮するようになることが示された。
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