研究課題/領域番号 |
23730630
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研究機関 | 東京女学館大学 |
研究代表者 |
平井 美佳 東京女学館大学, 国際関係学部, 講師 (60432043)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 自己と他者の調整 / 葛藤 / 大学生 / 国際比較 / ジレンマ課題 |
研究概要 |
本年度は,本調査に用いるジレンマ課題や文化的表象に関する項目を作成するために,文献の収集と整理,および,予備調査を行った。 まず,他者との葛藤を含むジレンマ課題を用いた先行研究を収集した(自己と他者との葛藤に関わらず,道徳的判断,問題解決,智恵など,青年期以降を対象とした研究を含む)。また,架空のジレンマ場面を使用している研究とは別に,親子間葛藤や友人との葛藤など青年期の葛藤を扱った先行研究を収集・整理した。さらに,本研究で扱う自己と他者の葛藤に関連すると考えられる,自己調整やセルフ・アサーションなどの概念に関わる研究についても収集・整理した。次に,大学生にとっての日常的から深刻なレベルの葛藤についてボトムアップな情報を得るために,調査協力者を集めてグループディスカッションを行い,その内容を分析した。より具体的には,日本人大学生と中国の中国人の留学生を対象として,集団面接を実施し,日頃どのようなことで自己と他者との要求が葛藤するか,また,実際には生起していないが,今後どのような自己と他者の調整が生起した場合に悩むか,などについて聴取し,また,調査協力者同士で話し合ってもらった。会話は録音され,プロトコルを作成し,分析した。中国については翻訳を依頼した。以上の先行研究を収集・整理,および,予備調査から,候補となるジレンマ課題を作成した。 ジレンマ課題の作成とは別に,文化的表象に関する項目を作成するために,既存の人間関係や自己に関する価値観に関する尺度を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付申請書に記載した研究目的のうち,文化比較を行うための調査材料の準備に着手し,使用する場面の候補を作成することができた。本年度は4年間の研究の1年目にあたり,研究の初期段階の目的はある程度は達成できたといえる。ただし,本年度予定した計画のうち,韓国の学生に対する上記と同様の予備調査,および,3か国の大学生を対象とした作成した場面の妥当性の確認を行うことができなかった。 計画が遅れた理由は,研究以外の仕事(教育・学務)に予想以上の労力を要したためであった。とりわけ,学生募集に関わる学務作業,および,学生の就職難等により卒業論文研究が予定より遅れたために指導に時間がかかり,中国及び韓国の現地における調査に赴く時間を確保できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後,候補に挙がったジレンマ課題のうち,最終的に使用する課題を決定する。このために,更なる予備調査を行う。また,中国および韓国における現地の調査者を確保し,トレーニングをした上で,面接データを収集する。さらに,面接調査の対象者を含むさらに大きなサンプルにおいて,質問紙調査も実施する。調査協力者の募集は,確実に確保するために,いくつかのルートを通して慎重に検討する必要があり,調整が必要であると考えられる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,中国および韓国へ調査協力者確保のために渡航する必要がある。また,調査協力者に支払う謝礼が必要である。統計ソフトのアップデートを行う必要があり,これに費用がかかるものと見込まれる。
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