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2013 年度 実施状況報告書

自己と他者の調整における文化の共通性と差異―中国,韓国,日本の大学生の比較―

研究課題

研究課題/領域番号 23730630
研究機関横浜市立大学

研究代表者

平井 美佳  横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 准教授 (60432043)

キーワード自己と他者の調整 / 大学生 / 葛藤解決 / ジレンマ課題 / 国際比較
研究概要

前年度は国際事情に鑑み調査の実施を見送り,研究の達成度は遅れていると評価した。本年度はこれを受け,調査方法を見直すことを検討し,当初予定していた面接法中心の研究計画を一部変更し,質問紙調査にて当初の研究計画と同様の目的を達成する方法を模索した。
そこで本年度はまず,日本における質問紙調査を実施した。3つの各ジレンマ場面について,「あなただったらどうするか」について問い,選択し得る行動方略の項目を各場面で同じ意味になるように過去の面接調査を整理して作成し,大学生313名の協力を得て,各項目について5段階評定および自由記述を求める調査を行った。項目は自己/他者を優先するという本研究の中心的な問いのほかに,調整方略として,①事情を説明する,②(他者の 要求を) 先延ばす ,③両者を調整する,④努力により 両者を優先する,⑤(自己の要求を)諦める,⑥適当に対処する,の6つの項目が最終的に自己と他者の調整とその方略を測定するために適当であると判断された。調査の結果,場面(問題の深刻度が異なる)×葛藤の相手(家族,友人,その他)×方略の交互作用が認められた。加えて,生物学的基盤を仮定する構成概念であるエフォートフル・コントロールとの関連も検討した。
次に,この調査結果をもとに,これらの項目が他の文化においても使用可能であるかについて検討した。より具体的には,韓国,中国および台湾に暮らす,あるいは,各文化に関わりの深い大学生および研究者にインタビューを行い,各場面や項目について調査で用いることについて意見を求めた。
さらに,調査対象国を当初の予定よりも広げる計画であり,予定していた国に加えて,台湾において研究協力を得られることが決定した。アメリカも現在交渉中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度の遅れを引きずっており,また,本年度は所属が変更したこともあり,未だ十分に挽回したとは言い難いと判断し,やや遅れていると評価した。ただし,本年度は遅れに対処するための策を講じ,また,十分な調査協力者数を得た質問紙調査を実施し,さらに対象国の調査フィールドを確保できたことから,着実に遅れの挽回に向けて進んでいると考えている。

今後の研究の推進方策

本年度は,新たに本調査とするジレンマ場面を用いた質問紙調査を,日本,韓国,中国,台湾などで実施する。翻訳作業と調査の実施については各国の協力者の援助を受ける必要があり密に連絡をっていく。また,分析にも方法の工夫が必要であると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 青年期における人間関係と文化的表象としての価値観(ラウンドテーブル話題提供)2014

    • 著者名/発表者名
      平井美佳
    • 学会等名
      日本発達心理学会第25回大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20140321-20140323
  • [学会発表] 大学生の自己と他者の調整における行動方略の選択―エフォートフル・コントロール(EC)との関連の検討―2014

    • 著者名/発表者名
      平井美佳
    • 学会等名
      日本発達心理学会第25回大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20140321-20140323

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公開日: 2015-05-28  

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