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2011 年度 実施状況報告書

児童・生徒の主体的な競争を促進する教師の指導態度に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23730633
研究機関中部大学

研究代表者

太田 伸幸  中部大学, 教育実習センター, 准教授 (40367628)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード競争 / 教師の競争に対する指導態度 / 自発的な競争 / Web調査
研究概要

室山・堀野(1991)は敗者に対しての配慮を示すことや,競争の対等性を維持できるような条件を導入することで,否定的な対人感情は生起しないことを明らかにしている.現実に競争を求められる状況は多々存在するが,これらの場面で「主体的に」競争が行えるようにするためには,教師の果たす役割が大きいと考えられる.すなわち,教育場面において児童・生徒に主体的な競争を促す態度の育成には,教師の競争に対する指導態度・指導行動のあり方を明らかにすることが必要である. そこで,23年度は教師の競争に対する指導態度や競争に対する信念について,Web調査を実施した.授業場面および授業場面以外における子どもが競争する場面を自由にあげてもらい,その場面における自身の指導行動およびその理由についての自由記述を求めた.また,子どもが自発的に競争すること,および子どもに競争させることに対する態度についても自由記述を求めた.競争が不要という考え方を持つ教師は少なく,子どもが自発的に競争をすることや子どもに競争をさせることは,子どもの成長を促す上で必要であるという信念を持つ教師が多かった.ただし,環境面での配慮や負けた側への配慮,指導時の教師の姿勢についての言及も多く,競争に勝つことに焦点付けた指導態度を有する教員はほとんどいなかった.すなわち,競争は子どもの成長のための手段であり,協同学習と同様に子どもの意欲を引き出す手段として捉えられていた.また,子どもに競争をさせることについて,実社会での競争の存在に言及し,その必要性を指摘する教員もいた. このように,競争を否定的に捉える教員は少なく,競争を指導に取り入れる際にも,配慮しながら取り入れている教員の存在が明らかとなった.したがって,競争の指導効果についてもさらに検討する必要があると考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究1として実施予定であった,小・中学生を対象とした調査を実施できなかった.これは多面的競争心尺度の改訂が遅れたためであり,24年度中には実施する予定である.23年度は教員を対象とした研究2について先に実施したが,自由記述の結果から,予測していた以上に競争場面の記述,および競争を指導に取り入れた記述があげられており,教育場面における競争の存在を確認することができた.そのため,研究1の調査紙の構成についても再検討を行っており,24年度の研究スケジュールは厳しくなるが,充実した調査が実施できると考えられる.

今後の研究の推進方策

23年度は研究2のみの実施となったため,24年度は研究1および研究2の本調査を並行して推進していく予定である.これらは夏休み前までの実施を目指しており,研究3を夏休み以降に進めていく.

次年度の研究費の使用計画

24年度実施予定の調査に加え,研究1を24年度実施にしたため,調査実施費用およびデータ入力に関する謝金を繰り越して使用する.それに伴い,データ分析用ソフトウェアの購入も24年度に変更したため,24年度に当該ソフトウェアを購入し,データ分析を遂行する

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 友人に対するライバル心が目標志向性に与える影響(2)2011

    • 著者名/発表者名
      太田伸幸
    • 学会等名
      日本教育心理学会第53回総会
    • 発表場所
      北海道立道民活動センターかでる2・7
    • 年月日
      2011年7月24日

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公開日: 2013-07-10  

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