本課題では、仮想的有能感と社会観の循環影響モデルを参考に、青年の他者軽視が政治に関する意識・態度・行動に及ぼす影響について実証的検討を行った。大学生を対象とした質問紙調査により、政策に対する意識・態度(研究1)、政治に対する評価・関心及び政治的自己効力感(研究2)、政治に関する行動(研究3)と仮想的有能感との関係を検討した。その結果、①他者軽視傾向が政治に対する否定的な評価を高める方向で影響すること、②他者軽視は政治的自己効力感を介して、政治関与行動に影響を与えるが、抑制的側面と促進的側面の両側面を持つことが明らかとなった。
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