研究課題/領域番号 |
23730664
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研究機関 | 茨城キリスト教大学 |
研究代表者 |
三澤 文紀 茨城キリスト教大学, 文学部, 准教授 (00438607)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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キーワード | リフレクティング・プロセス / リフレクティング・チーム / メンタルヘルス / 家族療法 / ナラティヴ・セラピー / 臨床心理学 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
本研究は、家族療法の「リフレクティング・プロセス(RP)」の概念や方法を基に、一般社会人が問題解決に有効な方法の開発、並びに、各個人が問題の内省・熟考に有効な方法を開発のための基礎的知見の検討を目的としている。具体的には、2013年度まで、若手小学校教員・講師を参加者とし、RPの一技法である「リフレクティング・チーム・アプローチ(RTA)」の形式による事例検討会の開催、並びにその録画記録による参加者の言動や感想等の分析を行ってきた。 これまでの検討会の記録の分析・検討の結果、事例検討会の面接者(聞き手)が教員にとって難しい役であり、面接者(聞き手)の役の研修を受けることが必要であるとの結論に達していた。さらに、RTAでは参加者に特別な発言のルールが求められるが、こうしたルールの実施が難しく、やはり研修の必要性が生じる。以上のことから、RTA形式の検討会参加の前に研修が必要、との結論に達していたが、研修必須となれば参加者への負担は大きく、RTA形式の検討会の一般的普及は難しくなる。 そこで2014年度では、RPが盛んに行われている北欧を視察し、RPの現状やトレーニングの方法について調査することとした。具体的には、最もRPが盛んとされるデンマーク、並びにRPの影響を受けて発展してきたオープン・ダイアログを実施しているフィンランドを視察した。その結果、これらの国々では相当のトレーニングを受けた人がRPを実施し、RP等を知らない一般社会人に実施する場合は、RP等のトレーニングを受けた2名をファシリテーターとして全体を統括しながら実施している例などについて知ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2011年度の東日本大震災、並びに2012年度の家族の入院とその後の治療(5年間治療継続の見込み)により大幅に研究実施が大幅に遅れ、2014年度もその遅れ取り戻すことはできていない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの遅れと家族の治療を考えると、昨年度の推進方策と同様、調査や実験は限定されると考えられる。 RTA研究については、北欧のトレーニングの方法についての現地資料やRTAの提唱者であるAndersenの晩年の英語化・日本語化されていない資料を中心に研究し、日本でのRTAトレーニングや研修の方法について検討していきたい。 もう1つの研究の柱である内的会話研究についても大幅な遅れのため、基礎となる知見が充分に得られていない。まずは基本的な内的会話の手法についての基礎研究を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2011年度の東日本大震災、並びに2012年度の家族の入院とその後の治療(5年間治療継続の見込み)により大幅に研究実施が大幅に遅れ、2014年度もその遅れ取り戻すことはできていない。このため、当初計画していた調査や実験の一部が遂行できていないため、次年度使用額が生じている。
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次年度使用額の使用計画 |
「今後の推進方策」でも記載したとおり、北欧のトレーニングの方法についての現地資料やRTAの提唱者であるAndersenの晩年の英語化・日本語化されていない資料を中心に研究するため、通訳や翻訳の手数料が必要となる。また、これまで同様、調査参加者への謝金、文献等の複写費や購入費が必要である。加えて、内的会話研究が順調に進んだ場合は、調査参加者謝礼、実施のための心理検査質問紙が必要となる。それから、学会参加を1~2回程度、そして研究会を数回程度予定しているため、そのための旅費も必要である。 以上が、今年度の研究費使用予定である。
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