本研究では、ポジティブ心理学的な視点から心理教育プログラムを開発し、その効果を検討した。初年度は、個人の肯定的な特性を測定できる心理尺度を開発し、信頼性と妥当性を確認した。次年度は、大学生と小学生を対象にして、人間関係の軋轢から獲得した利益の筆記を行う介入と、感謝の筆記、共有、伝達の介入(WSTG)の2種類の介入を行い、いずれも一定の効果を有することが示された。最終年度は大学生を対象にWSTGを実施し、抑うつ症状の低減に効果があると解釈できる結果を得た。以上から、本研究で実施されたプログラムは、大学生の肯定的感情の増大および否定的感情と抑うつ症状の低減に一定の効果を有すると結論された。
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