認知行動療法(CBT)の効果基盤となる注意制御プロセスを解明するために、注意制御を促進する訓練の効果がCBTの効果に及ぼす影響について検討した。強迫性障害または社交不安障害のそれぞれの症状が臨床群と同程度の大学生を対象に注意訓練を実施した後に、従来型CBTを実施するパッケージ介入(PT)を実施した。その結果、PTはそれぞれの技法を単独で介入した群よりも高い効果を示した。それぞれの群における介入前後の注意様式を両耳分離聴課題や視線追尾装置を用いて測定した結果、注意制御能力は思考の自己制御能力を促進することで症状を軽減していることが示された。
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