研究課題/領域番号 |
23730674
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
松本 圭 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (40367446)
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キーワード | 認知行動療法 / 認知バイアス / 社交不安 |
研究概要 |
本研究では、認知バイアスを複数同時に計測し、それらが社交不安に与える影響を多面的に検討し、認知バイアスの各指標と社交不安の相互作用を明らかにすると共に、認知行動療法の技法によってもたらされる社交不安低減のメカニズムを明らかにすることを目的としている。 平成23年度は、研究に用いる実験課題の信頼性・妥当性を確認した。そして平成24年度から最終年度である平成26年度までは、継続的に、1)同一の実験参加者に各認知バイアスを測定する実験を実施し、認知バイアス間の相互作用と、それが社交不安に与える影響を明らかにすること、2)高社交不安者を対象とした集団認知行動療法を実施し、その前後で実験参加者に実験課題を実施、介入による変化を明らかにしてゆくことが目的であった。 上記の目的 1)については、平成24年度は約20名の実験参加者を得て、注意、解釈、自己評価バイアスを測定する実験を実施した。まだ十分な実験参加者数を得ていないため、現時点では、それぞれのバイアスと不安水準との関係について明確な議論はできない。引き続きデータの蓄積が必要である。 上記の目的 2)については、平成24年度は16名のスピーチ不安を有する実験参加者を得て集団認知行動療法を実施した。全ての実験参加者で質問紙検査上でのスピーチ不安の減少を確認した。また16名の実験参加者の内、10名については介入前後でのバイアス測定実験への参加の同意も得られた。データは取得できているが、実験参加者数が十分ではないため、引き続き平成25、26年度とデータを蓄積する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は二つの目的に沿ってデータ収集を進めることができた。まだ分析可能なデータ数には到達していないが、平成25、26年度とデータを蓄積することで目標を達成できるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に考案し、妥当性を確認した方法を用いて、平成24年度から平成26年度にかけて、1) 認知バイアスの各指標と社交不安の相互作用を明らかにする、2) 認知行動療法の技法によってもたらされる社交不安低減のメカニズムを明らかにするという2つの目的の達成を目指す。1)については、平成24年度と同様に、約20~30名の実験参加者を募り、3年間で約100名分のデータ収集を行う。2)についても、平成24年度と同様に、20名程度の実験参加者に対して集団認知行動療法を実施し、その前後の実験データを集積してゆく。最終的に3年間で約60名程度のデータを収集する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果の発表のための旅費、実験参加者への謝金、集団認知行動療法や実験の実施補助や、データの入力・整理のためのアルバイト代、データの分析のためのソフトウェア購入代金、データ保存のためのメディア購入代金等が主な使用用途となる。
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