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2012 年度 実施状況報告書

社交不安障害の治療形態の特異性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23730677
研究機関東海学院大学

研究代表者

城月 健太郎  東海学院大学, 人間関係学部, 講師 (50582714)

キーワード不安障害 / 臨床心理学 / 認知行動療法
研究概要

今年度は,社交不安障害(Social Anxiety Disorder;以下SADとする)に関する認知行動的要因の機能についての基礎的検討を進めるとともに,集団認知行動療法を実施し,その効果についての検討を進めた。基礎的検討においては,SADの維持・増悪要因とされるコストバイアスに加え,緩衝要因となる可能性がある,不安のコントロール感に関する基礎的検討を進めた。コストバイアスについては,従来の研究において指摘されている通り,SAD症状に対する強い影響が認められた。また,不安のコントロール感の機能に関する基礎的検討を進めたところ,不安感情に対してストレスコーピングよりも関連性が高く,不安の減弱を進めるうえで,効果のある要因である可能性が示唆された。今後は,コストバイアスと不安のコントロール感との関係性についても検討を進めていく予定である。
また,介入研究として,SAD患者に対する集団認知行動療法の実施を進めた。従来の認知行動療法的アプローチに加え,コストバイアスの変容を促進するよう,エクスポージャー実施前後の認知的介入に重点を置き,プログラムを進めた。治療効果のエフェクトサイズを算出したところ,比較的高い治療効果が認められている。しかし,サンプル数については十分ではないことから,今後蓄積を進めることが求められる。これらの成果の一部は,対象者の同意を得たうえで,プライバシーに十分な配慮を行ったうえで,事例研究として公表を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの研究においては,SADの認知行動的要因に関する基礎的研究と,介入研究を並行して実施を行っている。当該年度は,集団認知行動療法を実施するなど,介入研究をスタートする年度であり,おおむね計画の通りに研究は進行をしていると考えられる。

今後の研究の推進方策

次年度以降については,集団認知行動療法に加え,個人認知行動療法のプログラムについても実施を行うことが予定されている。そのため,対象者を確保したうえで,介入研究を実施していくことが必要になる。なお,平成25年度に研究代表者の研究機関の所属変更があることから,プログラムの実施場所の変更が余儀なくされるため,工夫をすることが必要となる。

次年度の研究費の使用計画

研究計画の実施を行う上での必要経費として使用をするほか,研究成果の公表にかかわる,事務用品費,物品費としての使用を計画している。また,これまでの研究成果を報告するうえでの,学会出張費,研究成果発表に関わる経費,論文校閲に関わる費用などを使用する。また,研究実施・取りまとめ・成果公表において必要となる書籍などの購入費用としても用いる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 集団認知行動療法への参加をもとに復職支援を進めた社交不安障害患者の一事例2013

    • 著者名/発表者名
      城月健太郎・高井昭裕・足立總一郎・塩入俊樹・野村忍
    • 雑誌名

      認知療法研究

      巻: 6 ページ: 55-68

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The effects of cost bias on social anxiety and depression symptoms.2012

    • 著者名/発表者名
      Shirotsuki, K., & Nomura, S.
    • 雑誌名

      International Journal of Cognitive Therapy

      巻: 5 ページ: 77-85

    • DOI

      10.1521/ijct.2012.5.1.77

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 社交不安障害の認知行動療法の展望2012

    • 著者名/発表者名
      城月健太郎
    • 雑誌名

      東海心理臨床研究

      巻: 7 ページ: 22-31

  • [雑誌論文] 社交不安障害における認知行動モデルとHPA系2012

    • 著者名/発表者名
      城月健太郎
    • 雑誌名

      精神科

      巻: 21 ページ: 574-577

  • [学会発表] The change of self- and others-ratings for speech perception after speech exposure ofthe individual cognitive behavior therapy for Social Anxiety Disorder.

    • 著者名/発表者名
      Shirotsuki, K., Kodama, Y., & Nomura, S.
    • 学会等名
      The 10th International Congress of Behavioral Medicine
    • 発表場所
      Hungary, Budapest.
  • [学会発表] 見捨てられスキーマとセルフ・モニタリングが自己への攻撃性に及ぼす影響

    • 著者名/発表者名
      北川三沙代・城月健太郎・福島裕人
    • 学会等名
      第76回日本心理学会大会
    • 発表場所
      専修大学
  • [学会発表] Enhanced increase in cortisol/DHEA ratio under prolonged stress in individuals with irritable bowel syndrome.

    • 著者名/発表者名
      Sugaya, N., Izawa, S., Saito, K., Shirotsuki, K., Nomura, S., Shimada, H., & Ikeda, K.
    • 学会等名
      The 42nd Annual ISPNE Conference
    • 発表場所
      New York, USA.

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公開日: 2014-07-24  

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