研究1では、大学生386名を対象に日常的解離尺度改訂版項目からなる質問紙調査を行った。結果、「没入・没頭」「健忘による情動対処」「非現実感」「うわの空」「疎隔感」の5因子49項目の改訂版尺度が作成され、ある程度の妥当性が確認された。研究2では、患者群150名に対して研究1の改訂版尺度を実施した。結果、精神的健康度の予測指標として非現実感、うわの空、疎隔感が有効な可能性が示された。研究3では、心的外傷体験が不明確な解離性障害4事例の心理検査について検討した。分析の結果、ロールシャッハ・テストと改訂版尺度による解離傾向は一致せず、解離に対する心理尺度と投映法の表現形は異なる可能性が示唆された。
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