研究課題/領域番号 |
23730689
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
川島 大輔 北海道教育大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50455416)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 自死遺族ケア / ナラティヴ / 死生学 / 意味再構成理論 |
研究概要 |
本研究は、ナラティヴ死生学の観点に基づき、自死遺族が自らの経験を物語として再構成し、また他者と対話するためのツールとなる、ナラティヴ・ワークブックを開発することを目的とする。そのため初年度は、関連文献やコンテンツの収集と、自死遺族ケアにかかわる複数の共同研究の継続を中心に実施した。 文献調査にかかわる中間報告としては、自死遺族のグリーフワークを支える関連資料、とくに意味再構成や他者とのコミュニケーションに関する、国内外の関連文献およびコンテンツを幅広く収集した。加えて死別ケアに関するワークや、臨床的支援のためのコンテンツも、ワークブック作成にかかわるコンテンツとして収集した。現在、これらのコンテンツを、本研究の目的に照らして、整理分析している。また並行して、自死遺族の事例研究を通じて、ナラティヴ死生学の理論および方法論の再検討も試みた。 実証的研究としては、自死遺族支援のための研修効果測定指標の開発、自治体における自死遺族支援事業の評価研究等、複数の共同研究を並行して進めている。また川野他(2007)の自死遺族調査のデータの再分析に取り組み、自死遺族の意味再構成と精神的健康との関わりについて検討した。さらに、一人のご遺族のインタビューデータに対して現象学的分析を行い、意味再構成のあり様を提示した。 今年度の成果のいくつかはすでに学会、研究会、公開シンポジウム等において発表し、研究者、専門家、当事者との活発な意見交流を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに、おおむね順調に研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれまでの研究成果をもとに、ナラティヴ・ワークブックのコンテンツ案を作成する。またグリーフ・カウンセリングの専門家および自死遺族の自助グループ・支援グループの代表者へのヒアリングを行い、追加の資料収集を行う。さらに今年度の研究成果をまとめ、学術雑誌に投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
情報収集やヒアリング、研究報告、学会参加のための旅費を相当額計上する。また自死遺族ケアに関する資料の整理に必要な研究協力者への謝金も計上する。
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