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2011 年度 実施状況報告書

顔の認識・記憶におけるジェンダーバイアスの生起メカニズムの検討

研究課題

研究課題/領域番号 23730699
研究機関名古屋大学

研究代表者

北神 慎司  名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00359879)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード顔 / 記憶 / 認識 / 認知 / ジェンダーバイアス / 目撃証言 / 熟達 / 人種バイアス
研究概要

近年,他人種の顔よりも自分と同じ人種の顔のほうが認識しやすいという人種バイアス(own-race bias)に類似した現象として,異性の顔よりも同性の顔のほうが認識しやすく,記憶しやすいというジェンダーバイアス(own-gender bias)という現象が報告されている.本研究は,顔の認識や記憶におけるジェンダーバイアスの存在を確認するとともに,人種バイアスに対して提唱されてきた理論的説明(知覚的熟達要因あるいは社会認知的要因の関与)を手がかりとして,それらの妥当性を検証するために用いられた実験操作を援用することによって,ジェンダーバイアスの生起メカニズムを検討することを研究全体の主な目的とした.実験では,大学生を対象として,参加者の性別(男性・女性)×顔刺激の性別(男性・女性)×顔刺激の向き(正立顔・倒立顔)の3要因混合計画(参加者の性別のみ参加者間要因)のもとに,知覚的弁別課題および再認記憶課題を用いて,顔の記憶・認識におけるジェンダーバイアスが倒立顔においても生じるかを検証することで,ジェンダーバイアスの生起に知覚的熟達要因が関与するかどうかを検討した.その結果,いずれの課題においても,倒立顔においては,ジェンダーバイアスが生じないことが示された.この結果によって,ジェンダーバイアスの生起には,知覚的熟達要因が関与している可能性が低いことが示唆される.しかしながら,先行研究の追試部分である正立顔において,一部,先行研究とは異なる結果が得られているため,知覚的熟達要因の関与については,追加実験を行うなど,慎重な議論が必要であると考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究全体の目的は,ジェンダーバイアスの生起メカニズムを検討することであるが,研究実績の概要で記述したように,研究計画初年度として,当初の計画通り,2つの実験を実施したため,おおむね順調に進展していると言える.

今後の研究の推進方策

初年度の実験において,一部,先行研究の追試ができていなかったため,実験刺激の選定(予備的調査)をやり直した上で,再度,2つの実験を行い,手続きの妥当性を確認した上で,あとは,当初の計画通り,研究計画2年目(2012年度)に予定している2つの実験を行う.なお,これらの実験において,万が一,実験条件や手続きの設定に不備が見つかった場合には,途中で実験をやめ,当該部分を改善した後,新たにデータを取り直すこととする.

次年度の研究費の使用計画

平成24年度交付予定の直接経費1,000,000円については,平成23年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)交付申請書に記載したとおり,研究計画2年目(2012年度)に予定している2つの実験の遂行するために使用する(物品費:350,000円,旅費:350,000円,人件費・謝金:250,000円,その他:50,000円).次年度使用額(160,226円)については,上記の通り,当初予定の実験の前に,手続きの妥当性を確認するため,実験刺激の選定に関わる予備的調査および実験を行う必要が生じたため,これに関わる経費(物品費および人件費・謝金)として使用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] An own-gender bias and an own-age bias in face recognition2011

    • 著者名/発表者名
      Kitagami, S., Yamada, Y., & Nagai, M.
    • 学会等名
      The 5th International Conference on Memory
    • 発表場所
      University of York (UK)
    • 年月日
      2011年8月1日

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公開日: 2013-07-10  

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