研究課題/領域番号 |
23730701
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
ALTMANN C 京都大学, 生命科学系キャリアパス形成ユニット, 助教 (20572051)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 認知科学 / 神経科学 / 実験系心理学 / 音声学 / 画像、文章、音声等認識 |
研究概要 |
平成23年度は,研究目的に挙げた言語音に見られるカテゴリー的な知覚に関する神経メカニズムを検討するために、心理物理学的な側面からのアプローチとして3つの実験を行った。刺激として、有気母音の音節4個の組み合わせ4種類(/ba/と/da/、/bo/と/do/、/ba/と/bo/、/da/と/do/)についてモーフィングという手法によりそれぞれに11段階の異なる中間音を合成した。実験1ではリオン株式会社より購入した聴力検査室(AT-66)内において、合成した中間音(4種類×11段階)をヘッドホンで提示し、被験者にはそれがどちらの音節に聞こえるか(例:「ba」か「da」か)を判断させた。また実験2として、同じく中間音を刺激として用いて、あらかじめ先に提示された音節との同異判断をさせる実験も行った。これらの実験結果から、曖昧な中間音を「ba」や「da」といった音節として識別・分類するための境界がどこにあるかを被験者ごとに同定した。現在、この実験により得られた各個人ごとの音節識別の境界データを元に、脳磁図を用いてこの音素識別に関する神経メカニズムを明らかにする実験を進めている。また、平成24年度の計画として挙げた、特定の音節に対する慣れ(adaptation)が曖昧な中間音の知覚に与える影響を調べるための予備実験も行った(実験3)。実験では、特定の音節(上で述べた音節8個のいずれか)を繰り返し提示して慣れを生じさせた後で中間音を提示し、被験者には実験1と同様にどちらの音節が聞こえるかを判断させた。この実験は現在も被験者を増やして継続中だが、得られたデータを実験1と2の結果と比較することで特定の音節に対する慣れが音節識別の境界に与える影響を調べ、今後計画している脳磁図を用いた実験の予備的なデータとして用いる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験をこなし、十分なデータが得られた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の計画として挙げた、特定の音節に対する慣れ(adaptation)が曖昧な中間音の知覚に与える影響を調べるための予備実験も行った(実験3)。実験では、特定の音節(上で述べた音節8個のいずれか)を繰り返し提示して慣れを生じさせた後で中間音を提示し、被験者には実験1と同様にどちらの音節が聞こえるかを判断させた。この実験は現在も被験者を増やして継続中だが、得られたデータを実験1と2の結果と比較することで特定の音節に対する慣れが音節識別の境界に与える影響を調べ、今後計画している脳磁図を用いた実験の予備的なデータとして用いる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記実験で必要になるデータの解析用PCを購入して、被験者を増やして実験を推進する。また、その結果得られた実績を論文発表する。
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