研究課題
口腔内における大きさ知覚と視覚とのギャップを心理物理学的測定することを試みた。また、口腔内の知覚の特徴を明らかにするため、他の身体部位での知覚との比較を行った。刺激として、キャンディーに穴をあけ、これの大きさ判断を行った。参加者はキャンディーが口腔内、および手に提示されるときには目隠しする。数秒間、口腔内でキャンディーを探索し、吐き出した後、クロスモーダル・マッチング法による飴の大きさの評価を行なった。すなわち、口腔内で感じられる大きさを視覚的な大きさに対応づけられた尺度を用いて評価させた。この実験の結果、触覚的な大きさ判断は視覚に比べて過大評価されることが示唆された。また、食感などに関連する質感判断を視覚的にどのように感じるのかについても検討を行った。先行研究では視覚的な運動から素材感を知覚するには曲線・直線などの形態が影響することが示されていた。ネオンカラー拡散をともなう主観的な面の頂点を支点とした垂直線の振り子運動において誘導図形間の位相差を0°から180°まで段階的に変化させ,位相差が0°及び180°の条件では対象の変形しない剛体の主観的な面の運動が,それ以外の位相差条件では面の変形を伴う非剛体の面の運動が知覚される確率が高いことを示した。主観的輪郭図形を直線もしくは曲線の実輪郭を持つ同様の運動と対提示し,形状の類似度評定を行った。多次元尺度構成法 (MDS) により類似度の評定値を解析した結果,主観的輪郭との距離は全ての位相差条件下で直線 (実線) の図形よりも曲線 (実線) の図形の方が近かった。これらのことから,どのような位相差であっても,動的な主観的輪郭は,直線よりも曲線に近い形状で知覚されることが示唆された。
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