日本における養護教諭制度の史的検討として、①明治期に誕生した学校看護婦が、1941(昭和16)年に新たな教育職員として養護訓導となった発展過程を概観し、特にその養成過程を明らかにした。②戦後教育改革によって制度化された養護教諭制度の成立過程を確認し、③同制度の確立により養護訓導(養護教諭)の職務と保健室機能がキュアからケアへと変容したプロセスの検討を行った。戦後の分析は、教育刷新委員会での議論と戦後教育改革期の学校保健計画案の作成に焦点化しながら、史実の実証を行うとともに、通史的分析から養護訓導(養護教諭)の職務に内在化された本質的機能と保健室機能の構造転換について検討した。
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