本研究プロジェクトの最終年度である平成25年度には、以下のように研究を遂行し、また以下のような研究成果をあげた。 [1]平成23年度の研究プロジェクト開始時よりフィールドワークにご協力いただいている小学校に、依然として月1度のペースで訪問し、ビデオ撮影とフィールドノートの作成を主軸とした調査を継続した。平成23・24年度にはそれぞれ第1学年3クラスを対象としたが、平成25年度には第2学年3クラスを対象とし調査を遂行した。 [2]平成23年度から継続している上記調査で得られた映像データを、合わせて作成したフィールドノートを手引として適宜文字に起こし、分析を進めた(その主たる成果が下記[4][5]である)。 [3]H24年度に提出・受理され審査中であった博士論文が、口頭試問を経て正式に審査を通過した。前回の実績報告でも述べたとおり、「社会化現象の経験的記述――その過程・境界・達成を対象領域として」と題した本論文は全8章から構成されており、そのうち第6・7章に本研究プロジェクトで得られたデータが用いられている(第6章:H23年度に得られたデータ、第7章:平成24年度に得られたデータ)。 [4]平成24年度に得られたデータをもとに、国際エスノメソドロジー・会話分析学会第11回大会(at Wilfrid Laurier University)にて、“Technology of Ordering Classrooms: From the Analysis of Reproach in a Classroom Lesson”と題する報告を行った。 [5]平成23年度・24年度に得られたデータをもとに、授業会話における発言の順番交代をテーマとした論文を執筆、日本教育社会学会の紀要である『教育社会学研究』(94)に投稿し、審査の結果掲載が認められた。
|