研究課題/領域番号 |
23730748
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉田 香奈 広島大学, 教養教育本部, 准教授 (30325203)
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キーワード | 奨学金 / アメリカ / 高等教育 / 経済支援 / 大学生 |
研究概要 |
本研究は、アメリカ合衆国の高等教育における学生経済支援に注目し、高等教育の機会均等を保障する経済支援制度の特質について考察することを目的としている。学生経済支援とは、給付・貸与奨学金の他、ワークスタディ、教育減税といった支援を広く含む概念であり、その制度は非常に多様で変化が大きい。そこで、本研究では連邦政府・州政府・大学による経済支援制度の成立・展開とその特質・課題を考察し、特に低所得学生の大学進学・修学にもたらす効果について検証することを目的としている。 平成25年度は州レベルの学生経済支援のケーススタディの検討を主に行った。全米で公立大学の平均授業料が最も高い州の一つであるペンシルバニア州に注目し、前年度に行った現地調査を踏まえ、授業料が他州と比較して高額な理由および州政府による学生経済支援策の特質と課題について検討を行い、その成果を学会で報告した。 訪問調査からは、1)州の公立大学授業料政策は存在しない、2)州教育局は各大学の授業料設定過程には関与できない、3)公立大学側は断続的な州政府交付金の減少を補填するために授業料の値上げを行っている、4)高等教育全体を調整する機関が不在である、5)諮問委員会等の勧告は授業料の抑制にはつながっていない、6)ただしPASSHEについては学生獲得競争面で授業料の抑制が働いている、7)州の奨学金政策についてはニードベースの給付奨学金事業がその9割以上を占めており、規模も非常に大きいことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、連邦政府・州政府・大学による経済支援制度の成立・展開とその特質・課題を考察し、特に低所得学生の大学進学・修学にもたらす効果を検証することを目的としている。平成25年度は州レベルの学生経済支援のケーススタディを主に行い、その成果を学会で報告した。当初の計画どおり研究はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、ペンシルバニア州のケーススタディを進めるとともに、ジョージア州の訪問調査を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していたアメリカ高等教育学会への参加を次年度に延期したため。 アメリカ高等教育学会へ参加する予定である。また、翌年度分と合わせて州政府の奨学金制度について訪問調査を行う予定である。
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