23年度では、「分権的教育改革の新たな展開を効果的に分析するための視点の構築」を行った。アメリカ教育改革の新しい展開に関して、①新しい改革コンセプトに求められる条件の解明、②新しいコンセプトとして捉えられるシステミック・リフォーム・コンセプトの特徴の考察、③先駆的な事例と捉えられるケンタッキー州教育改革法の分析を行い、論文としてまとめた(柳林信彦「アメリカ合衆国における教育改革の新しい展開に関する一考察-システミック・リフォーム・コンセプトとケンタッキー教育改革法(KERA)に着目して-」、『教育行政学研究』、第33号、平成24年5月)。 次に、ケンタッキー州の調査で得た資料の分析を行い、KERAのアカウンタビリティ施策の特徴をシステミック・リフォーム・コンセプトという視点から解明し、論文としてまとめた(柳林信彦「Kentucky Education Reform Act 1990におけるアカウンタビリティ施策の特徴-システミック・リフォーム・コンセプトという視点から-」、『高知大学教育学部研究報告』、第72号、平成24年3月)。 24年度では、2次調査を実施し改革政策の分析を進め、特に、KERAにおいて改革全体の基盤となっているカリキュラム改革について考察を進めた。KERAにおいては、カリキュラムにおいて州の教育目的や教育目標が示されていることやカリキュラム改革とアカウンタビリティ改革、学校組織改革などとの関連性を明らかにし、ケンタッキー州の教育改革戦略の特徴を解明し、論文としてまとめた(柳林信彦「Kentucky Education Reform Act 1990におけるカリキュラム改革施策の特徴と改革における位置づけ ―システミック・リフォーム・コンセプトという視点から」、『高知大学教育学部研究報告』第73号、平成25年3月)。
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