研究課題/領域番号 |
23730760
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研究機関 | 郡山女子大学 |
研究代表者 |
垣花 真一郎 郡山女子大学, 家政学部, 講師 (00550724)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 平仮名 / 読み習得 / 拗音表記 / 濁音文字 / 幼児 |
研究概要 |
濁音文字,拗音表記の習得支援法の開発を目的とした。それぞれについて,次の習得支援法を考案した。(1)濁音---「音の濁り」に気付かせる歌・リズム遊び:これは擬音語・擬態語が濁音化すると「重く・大きく」感じられる現象(例 トントン、ドンドン)を利用して,清濁の音の対比を感じさせるのがねらいである。(2)拗音---「音の合体」に気付かせる歌・リズム遊び:これは,たとえば,「に」と「や」が合成されると「にゃ」(猫の鳴き声)になるように,2つの音が合体するとあるものが現れるという歌・リズム遊びである。子どもの知的好奇心を喚起しながら、音の合成技能を伸ばすことがねらいである。 23年度は,この支援法を実施する実験群、実施しない統制群を比較することで、その効果を検証した。濁音文字に関しては3歳児(実験群が15人、統制群が14人)、拗音表記に関しては4歳児(実験群が20人、統制群が17人)を対象に実験を行った。具体的には、次のような縦断的介入実験を行った。(1)事前検査(9月):全員に対して(1)清音文字,(2)濁音文字(3歳児)/拗音表記(4歳児)の読み検査を行った。(2)歌のプログラム(9月末~12月):実験群に対して,歌のプログラムを週1回実施した。(3)事後検査(12月):全員に事前検査と同様の検査を行い,効果を測定した。 その結果、事後検査の結果は、3歳児、4歳児ともに実験群の成績が統制群を上回っていた。しかし、事前検査の時点で、3歳児、4歳児ともに実験群の成績が統制群より高く、事後検査の差が介入によるものか確証を得ることはできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
23年度は計画通り、幼稚園での介入実験を行ったが、効果の有無を実証出来なかった。これは実験群と統制群が事前調査時点から、測定指標において差があったためである。実施幼稚園では特に習熟度別クラス編成を行っているわけではないので、これは偶然だと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は再度、幼稚園での調査を行うが、23年度と同様の問題を防ぐために、下記のような方策をとる。(1)幼稚園での調査事前調査を行い、差が認められなかった場合には、この調査を実施する。差が認められた場合には、(2)の調査に移行する。(2)家庭での調査まず、チラシ等で協力家庭を募り、実験群と統制群をランダムに配分する。実験群には調査素材をDVDに記録したものを配布し、テレビで視聴してもらい、効果の検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
幼稚園での調査を実施するため、主に(1)の経費が発生する。また、家庭での調査へ移行する場合には、(2)が発生する。(1)実験補助(内訳:5人×12月):250,000円(2)DVD作成費:400,000円
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